こんにちは。小笠原です。
絵やイラストの技術を磨くには、基礎となるデッサンの練習が不可欠となります。その際に、多くの人が自分でデッサンの練習をしていると聞きます。
一般的に言うと、「練習すればするほど上手くなる」とされていますが、ただ単に練習するだけでは技術の向上には繋がりません。
闇雲に努力を重ねていても、技術の向上どころか、間違った方向に変な癖がついてしまいかねないので注意が必要になってきます。
では、独学でデッサンを習得する上で陥りがちなサインとはどういったものなのでしょうか?
この記事では、独学でデッサンを行っている際に遭遇するかもしれない「成長の停滞サイン」と、それに対する解決策について解説します。
目次
デッサンを独学で学ぶ上での4つの注意点
「モチーフをよく観るという事」の意味がわからない
独学で絵画技法を身につけようとする人々は、市販で売られている技法書やオンラインの講義等で勉強を行なっています。
そこで絵画指導においてよく聞かれるフレーズに「モチーフを詳細に観察する」があります。
この表現は、描くべき対象を忠実に再現することを意味しており、オリジナリティよりも正確に描き写す精密さが重視されます。
従って、「モチーフを詳しく観察する」ことは絵画の基本であり、重要なポイントでもあるのですね!
そこで「モチーフを詳細に観察する」とは、単に目を凝らして見つめることではなく、深い意味で理解することを指します。
例えば立方体を描く上で正面からは見えない地面との設置面を意識する事で、影の付き方や陰影を描いていく事が出来るようになります。
表面的に描くことだけをしていると、モチーフの裏側まで意識せずに描いてしまいかねないので、このような視点でデッサンの練習をしていく必要があるのですね。
独学で勉強する過程でこの表現の本当の意味を見失うと、成長が滞ってしまいますし、場合によってはスランプに陥ってしまう事があるのですね。
このような誤解は成長の妨げとなり得ますが、デッサンの正確な理解を得ることで、技術の向上が見込めるどころか、スランプを前向きに捉える事が出来るようにもなります。
どんなモチーフを描けば良いのか分からない
絵画教室では、学生の能力や目標に応じてモチーフを選んでデッサンをします。
美大受験予備校でも同様のアプローチが取られます。
例えば、美術大学の入試では、水が入っている水槽に置かれた植物や複雑な構成など、単純な構成ではなく、複雑なモチーフの配置や構成などがデッサンの対象として選ばれることがあります。
例えば、私立の美術大学の受験生は、レンガ、樽、ボトル、布など、質感が異なる対象をよく描きます。
ですが、自分で絵を学ぶ人は、描くモチーフを自分自身で選ぶ必要があります。
始めはリンゴや花瓶のような一般的な対象から始めても、次に何を描くべきかわからなくなることがよくあります。
美大予備校では指導をしてくれる先生方がモチーフの配置を行なってくれるので、それらを自分なりに解釈をして画面に描いていきます。
ですが独学の場合、モチーフの構成の仕方がそもそもどうすれば良いのか分かりませんし、その結果モチベーションを低下させがちです。
モチーフを選ぶことに迷っている時、それは「これから何を描くべきかが分からない…」という状態でもあるのですね。これは成長の停滞を示唆するサインかもしれません。
その場合、一つのモチーフや作品に縛られずに、他の人の絵やデッサンを観察することで、「こんな対象も描けるのか!」と気づく機会が増えます。
また、苦手な対象やこれまで挑戦したことのない対象に気づくことができます。
これらを知ることは、必要なスキルの発見や克服すべき点の特定に繋がりますし、デッサンスキルの向上にも繋がっていきます。
作品制作に対しての不満が絶えず起こる
デッサンの作業には、塗り絵のような明確な終点が存在しないため、作家自身が作品の完結を決定する必要があります。
なので何度描いても自分の作品に対する満足感が得られない場合、それは作品の完成を見つけることができない、言い換えると創作の限界に直面している可能性があります。
絵画においては、確かに終わりが存在します。その分、作品が完結すべき時点を過ぎてしまうと、作品は色彩の多様性を失い、単調なものになってしまいかねません。
なので、作品を終えるタイミングを見極めるためには、どのような完成形を目指すかの明確なビジョンが必要です。
もしも作品を重ねるごとに満足感が得られず、終わりが見えない状態にあるならば、技術の向上だけでなく、優れた作品を多く観察して、望む完成形を心に描くことが重要です。
他の人の作品を観る事で、インスピレーションや作品のイメージを固める事が出来るようにもなる事もあります。
作品に対する理想が高すぎる
自らの手でデッサンを行い、「これは自分が理想的とする作品だ!」と自負する機会が増えた場合、それは自分での改善点を見出せなくなっている可能性があることを意味する事があります。
日々、何かしらの改善点が見つかるものですが、そのような改善点を見つけ出せない状態は、自力での進歩が難しいという警告信号かもしれません。
理想とされるデッサンを実現することは容易ではありません。
その理由は、理想的なデッサンがただ写真や実物を忠実に再現する以上のこと、つまり被写体の真髄を捉える作業でもあるからです。
「写真のようなデッサン」や「実物に非常に似たデッサン」が理想とは限りません。
それらは、技術的に言ったら確かに優れたデッサンではありますが、理想的なデッサンは被写体の香りや質感、性格や音さえも表現できる作品の事を指します。
独学でそのレベルのデッサンを描けるようになることは、非常に高いハードルであると言えるでしょう。
独学によるデッサン学習で壁にぶつかった際の対策
自分一人でデッサンを学んでいて、成長の壁に直面したと感じるなら、迅速に手を打つことが肝心です。
その理由は、成長の壁を感じるということは精神的にも辛いものであり、そのような状態が続くと、つい絵からの逃避を考えてしまう事となり兼ねない為です。
せっかくこれまで上達のために努力してきたのに、結局は絵を描くことをやめてしまうのは本末転倒ですからね。。
デッサンをただの技術訓練だと考えがちですが、実際には絵を描く喜びを感じながら取り組むべきものです。
モチーフの観察方法について理解できない場合は、その点を明確に説明できる講師の指導を受けると良いです。絵画教室に通う事で、一人ひとりのニーズに合った対象の選定が可能です。
また、絵画教室では、自分の作品よりも高い完成度を持つ参考作品や模範作品を見る機会があり、「自分の作品にはまだ改善すべき点が多くある」ということが明白になります。
理想的なデッサンに絵画教室で出会える保証はないかもしれませんが、絵画教室では、単に技術のみならず、絵画の理論や深い理解を学ぶことが可能です。
美術を心から愛し、学び続ける学生やプロの指導者との交流を通じて、「理想的なデッサンとは何か」を学ぶ機会を得られるでしょう。
まとめ
自分だけでデッサンの技術を磨こうとする人々は、通常、芸術に対して深い愛情を持っています。
その一方で、成長の停滞を感じた際は、絵への熱意が冷めてしまうことがないように早めに手を打つことが重要です。
その壁を乗り越えた先には、新たなステージのデッサンスキルがあなたを待っています。
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