絵の具やインクを使う際に
顔料と染料
という成分について
聞いた事がありませんか?
実は、これらの性質というのは
それぞれに適した使い方があります。
そこで今回は、
「顔料と染料の違い」
という内容について知りたい方向けに
解説をまとめています。
顔料と染料はどちらも
色をつけるための材料ではありますが、
その性質や用途によって
メリット・デメリットが
大きく異なります。
この記事では、
それぞれの基本的な定義から
インクの選び方や
用途別のおすすめについて
初心者にもわかりやすく徹底解説します。
顔料と染料の違いを正しく理解し、
用途に合った最適な選択をする為の
参考にしていただければと思います!
目次
顔料と染料の違いとは?|基本の定義と特徴を解説

顔料と染料はどちらも
色をつけるための色材ですが、
その性質や使われ方には
大きな違いがあります。
顔料に関しては水や油などの溶剤に溶けず、
粒子として分散しているのが特徴です。
一方、染料は溶剤に溶けて
分子レベルで素材に浸透し、
繊維や紙などの内部まで
染み込む性質を持っています。
この違いにより、
顔料は耐久性や耐水性に優れ、
染料は鮮やかな発色や
光沢感が得られるなど、
それぞれの用途や仕上がりに
大きな影響を与えます。
ですので、まずは顔料と染料の
基本的な定義と特徴についてを
しっかり押さえましょう。
顔料 | 染料 | |
---|---|---|
溶解性 | 溶けずに分散する | 溶ける |
素材への定着 | 粒子が大きいため表面に付着 | 粒子が小さいため内部に浸透 |
耐久性 | 高い | やや低い |
発色 | マットでやや控えめ | 鮮やか |
用途 | 絵画・文書・壁画 | 写真・アート |
- 顔料は塗料やインク、化粧品など幅広い分野で使用される
- 染料は繊維や紙、インクなどに使われる
顔料と染料の基礎知識|色材としての特徴
顔料は微細な粒子状の物質で、
溶剤に溶けずに分散して
色を発現します。
そのため、紙や布の表面に
しっかりと定着し、
耐光性や耐水性に
優れるのが特徴です。
一方、染料は分子レベルで溶剤に溶け、
素材の内部まで浸透して色をつけます。
染料は発色が鮮やかで、
光沢感のある仕上がりが得られる反面、
耐久性や耐水性は顔料に比べて
やや劣ります。
顔料は紙や布の表面に付着し、
染料は素材の内部に染み込む
といったイメージですね!
このように、顔料と染料は
色材としての性質が大きく異なるため、
用途や目的に応じて使い分けることが
重要です。
インクとインキの違いと関係性
「インク」と「インキ」は
どちらも呼び方が似ており、
両方とも色をつける液体ですが、
使われる場面や成分に違いがあります。
一般的に「インク」はプリンターや
筆記具などで使われる液体で、
染料や顔料を溶剤に溶かしたり
分散させたりして作られます。
一方で「インキ」は主に
印刷業界で使われる用語で、
油性や水性など様々な種類があり、
顔料や染料のどちらも使われます。
両者は成分や用途が重なる部分も多いですが、
呼び方や使われる分野によって
区別されることが多いです。
顔料インク・染料インク
顔料インキ・染料インキ
といったように、
色材の違いでさらに分類されるので、
予備知識として覚えておく
程度でも構いません。
- インク:プリンターやペンなどで使われる
- インキ:印刷業界で使われる専門用語
- どちらも顔料・染料の両方が使われる
よくある疑問「顔料と染料の見分け方」
顔料と染料は見た目が似ているため、
初心者には区別が難しいことがあります。
簡単な見分け方としては、
水や油などの溶剤に入れてみて、
溶ければ染料、溶けなければ顔料
と判断できます。
また、紙や布に塗ったときに
表面に色が残るのが顔料
内部まで染み込むのが染料
といった見分け方もできます。
インクや塗料のラベルにも
「顔料系」「染料系」
と記載されていることが多いので、
購入時は成分表示を確認しましょう。
用途や仕上がりの違いを理解し、
目的に合った色材を選ぶことが大切です。
- 溶剤に溶けるかどうかで判別
- 表面に残るか、内部に浸透するかで判別
- 成分表示やラベルを確認する
顔料インクと染料インクの比較|メリット・デメリットを徹底解説

顔料インクと染料インクは
プリンターや印刷、アートなど
さまざまな分野で使われていますが、
それぞれに明確な
メリットとデメリットがあります。
顔料インクは耐久性や耐水性に優れ、
長期保存や屋外用途に適していますが、
発色や光沢感では
染料インクに劣る場合があります。
一方、染料インクは鮮やかな発色と
滑らかな仕上がりが魅力ですが、
水や光に弱く、長期保存には
向かないデメリットもあります。
用途や目的に応じて、
どちらのインクが最適かを比較して
選ぶことが重要です。
顔料系インクのメリット・デメリット
顔料系インクは粒子が大きく
紙や素材の表面にとどまるため、
にじみにくく、耐水性や耐光性に
優れています。
そのため、公式文書や
長期保存が必要な印刷物、
屋外で使うポスターなどに最適です。
一方で、写真用紙や光沢紙への印刷では
発色がやや控えめになり、
鮮やかさや光沢感が染料系インクに
劣る場合があります。
また、プリンターのノズル詰まりが
起こりやすい点も注意が必要です。
用途に応じて、顔料系インクの
特性を活かしましょう。
- 耐水性・耐光性が高い
- にじみにくく、文字がくっきり
- 写真印刷では発色が控えめ
- ノズル詰まりに注意
染料系インクの特徴とデメリット・注意点
染料系インクは、溶剤に
完全に溶けているため、
紙や素材の内部まで浸透し、
鮮やかで光沢のある仕上がりとなります。
写真やイラスト、アート作品など、
色彩表現を重視する用途に最適です。
しかし、水や光に弱く、
長期間保存すると色あせや
にじみが発生しやすいという
デメリットもあります。
また、普通紙では裏写りしやすい
点にも注意が必要です。
保存性よりも発色や美しさを
重視する場合におすすめです。
- 発色が鮮やかで光沢感がある
- 写真やアートに最適
- 耐水性・耐光性がやや低い
- 長期保存には不向き
油性顔料・油性染料・水性の違いと選び方
インクやインキには、
油性顔料・油性染料・水性など
さまざまな種類があります。
油性顔料は耐久性や耐水性が非常に高く、
屋外看板や工業用途に多く使われます。
油性染料は発色が良く、
プラスチックや金属など
特殊な素材にも対応可能です。
水性インクは環境にやさしく、
一般的なプリンターや筆記具で
広く使われていますが、
耐久性は油性に劣る場合があります。
用途や素材、求める仕上がりに応じて
最適なタイプを選びましょう。
- 油性顔料:耐久性・耐水性重視
- 油性染料:発色・特殊素材対応
- 水性:環境配慮・一般用途向け
顔料と染料を混ぜるとどうなる?
顔料と染料を混ぜると、
両者の特性が複雑に絡み合い、
思わぬトラブルが発生する事がある為、
基本的には顔料と染料は
混ぜないようにしておく必要があります。
例えば、顔料の粒子が沈殿したり、
染料が分離して均一な色が
出なくなる場合があります。
また、混合によって耐久性や
発色が中途半端になり、
期待した効果が得られないことも。
ですので、基本的には
顔料系と染料系は混ぜずに、
それぞれの特性を活かして
使うのがベストです。
どうしても混ぜたい場合は、
専用の調合剤やメーカー推奨の
方法を守りましょう。
- 沈殿や分離が起こりやすい
- 発色や耐久性が不安定になる
- 基本的に混ぜないのが安全
耐久性・発色・保存性から見る顔料と染料の違い

顔料と染料は、
- 耐久性
- 発色
- 保存性
といった観点からも
大きな違いがあります。
顔料は耐久性や保存性に優れ、
長期間色あせしにくいのが特徴です。
一方、染料は発色や光沢感に優れますが、
保存性や耐久性では顔料に
劣る場合があります。
用途や目的に応じて、
どちらの特性が重要かを
見極めて選ぶことが大切です。
ここでは、耐久性・発色・保存性の違いを
詳しく解説します。
耐久性の違い(時間・光・水に対する強さ)
顔料は粒子が大きく、
素材の表面にしっかりと定着するため、
時間が経っても色あせしにくく、
光や水にも強いのが特徴です。
屋外看板や長期保存が必要な文書、
洗濯頻度の高い布製品などに最適です。
一方、染料は分子レベルで
素材に浸透しますが、
紫外線や水分に弱く、
時間の経過とともに色あせや
にじみが発生しやすい傾向があります。
ですので、絵画制作のように
耐久性を重視する場合は
顔料を選ぶのが安心という事ですね。
- 顔料:光・水・時間に強い
- 染料:色あせやすく、水に弱い
発色と光沢・仕上がりの比較
発色や光沢感では、
染料が圧倒的に優れています。
染料は素材にしっかり浸透し、
鮮やかで透明感のある色合いを
表現できます。
写真やイラスト、アート作品など、
色彩表現を重視する用途に最適です。
一方、顔料はマットな仕上がりで
発色はやや控えめですが、
落ち着いた雰囲気や高級感を
演出できます。
用途や好みに応じて、
発色や仕上がりの違いを活かしましょう。
染料:鮮やかで光沢感がある
顔料:マットで落ち着いた仕上がり
保存性・退色・劣化しにくさ解説
保存性の面では、
顔料が圧倒的に有利です。
顔料は紫外線や酸化による
退色が起こりにくく、
長期間美しい色を保つ事ができます。
染料は保存環境によっては
数年で色あせや劣化が進む事もあり、
特に光や湿気の影響を受けやすいです。
大切な作品や記録を長く残したい場合は、
顔料インクや顔料系塗料を
選ぶのが安心です。
顔料:退色・劣化しにくい
染料:保存環境により色あせやすい
顔料と染料で間違えた?トラブル事例と対処法

顔料と染料を間違えて使うと、
思わぬトラブルや失敗が
発生することがあります。
例えば、耐久性が必要な場面で
染料を使ってしまって
すぐに色あせてしまったり、
逆に発色を重視したいのに
顔料を使って色が沈んでしまうなどです。
ここでは、よくあるトラブル事例と
その対処法、再発防止のポイントを
紹介していきます。
用途に合わない場合のデメリットと問題点
用途に合わないインクや色材を選ぶと、
仕上がりや耐久性に
大きな問題が生じます。
例えば、屋外用の看板や
長期保存が必要な文書に
染料インクを使ってしまうと、
すぐに色あせやにじみが発生します。
逆に、写真やアート作品で
顔料インクを使うと、
発色が物足りなく感じることも。
用途や目的に合わせて、
最適なインクを選ぶことが
トラブル防止の第一歩です。
- 耐久性が必要な場面で染料を使うと色あせやすい
- 発色重視の場面で顔料を使うと色が沈む
顔料・染料インクの手入れ・メンテナンス方法

顔料・染料インクを
長く快適に使うためには、
適切な手入れやメンテナンスが
欠かせません。
インクの保存方法や
プリント後のケアをしっかり行う事で、
仕上がりや耐久性を保つことができます。
ここではインクの保存・管理のポイントや
印刷後の手入れ方法について解説します。
インク・インキの保存と管理のポイント
インクやインキは、
直射日光や高温多湿を避け、
冷暗所で保管するのが基本です。
開封後はできるだけ早く使い切るようにし、
使用後はしっかりとキャップを閉めて
乾燥や劣化を防ぎましょう。
また、顔料インクは沈殿しやすいため、
使用前によく振ることも大切です。
保存期間や使用期限を守ることで、
トラブルを防げます。
- 直射日光・高温多湿を避ける
- 開封後は早めに使い切る
- 顔料インクはよく振ってから使用
まとめ|顔料と染料の違いを正しく理解して用途に合わせて選ぼう
顔料と染料には
それぞれに異なる特徴や
メリット・デメリットがあります。
耐久性や保存性を重視するなら顔料、
発色や光沢感を重視するなら染料
が最適です。
用途や素材、
仕上がりのイメージに合わせて、
最適なインクや色材を
選ぶことが大切です。
本記事を参考に
顔料と染料の違いを正しく理解し、
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