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立方体の鉛筆デッサン。パースの付き方や陰影について一から順に解説

立方体 デッサン

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こんにちは。ペン画家の小笠原です。

僕が描いたペン画作品です。


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今回の記事では、基本的な形態の一つでもある立方体のデッサンをする上で、抑えておきたいポイントについてまとめています。

立方体は、円柱、円錐、球体と並んで基本となる形態のうちの一つです。

その為、立方体の理解を深める事ができるように慣れば、デッサンをする上での基礎的な技術を学ぶ事が出来るようにもなりますね!



立方体はシンプルな見た目なので、習得するのに初心者の方でも苦労をする事はないと思います。

ただし、シンプルな形態ではあるものの、後々応用する事ができるようになるので、実物を見なくても描けるようになれると良いですね。

それでは、立方体の見え方やデッサンの手順について順を追って解説をしていきたいと思います。

立方体の描きやすい角度について

立方体 影 逆光


立方体をデッサンする上で、どのような光源を設定するかによって、モチーフの描きやすさが変わってきます。

人物や生き物などの有機物を描く際にも、光の角度によって演出面にも影響を及ぼす事となってしまいます。

なので、光の当たる位置というのはデッサンに留まらず、作品を制作する上でとても重要な要素の一つとなるのですね。



たとえば光が逆光の場合、前方に立方体の影が落ちるので、その分立体感を演出する事がしやすくなります。

一方で光源がモチーフの前方にある場合、影が立方体の後方に落ちてしまう為、デッサンをする上で立体感を演出するのが難しくなってしまいます。

なので基本的には逆光の方がデッサンがしやすいので、特に初心者の方は逆光あるいは斜光(斜めの光)でのデッサンをするのが望ましいと言えますね。

立方体を観察する


立方体をデッサンする上で、実際に実物を見て描く事で、より正確なデッサンをする事が出来ます。

美大予備校や絵画教室などでは、石膏で出来た幾何形態を目にする機会が多いと思いますが、練習道具として購入しておくといつでも練習する事が出来るようになります。

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もっとも、石膏の場合やや高額なので、始めのうちは発泡スチロール製の立方体を代用するのもアリです。



ネットでも購入する事が出来ますが、ホームセンターでも売っているので、近所にホームセンターがある方は足を運んでみると良いかもしれませんね。

練習としては発泡スチロールよりも石膏の方が重厚感のある立方体を描きやすいですが、練習であればコチラでも代用が可能です。

また、石膏と違って高い所から落としても床を傷付ける心配も無いので、練習用としてこのようなメリットもありますね。

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立方体の描く手順


ここでは、立方体のデッサンの手順についてを解説していきたいと思います。

基本的な手順としては以下のものとなっているので、これらを踏まえながら立方体を描いていくようにします。

1. 立方体の構造を理解する
2. パースを理解する
3. 光と影を理解する
4. 線の使い方を身につける
5. 繰り返し練習を重ねる


それでは、それぞれの手順について見ていきましょう。

立方体の構造を理解する


立方体は6つの面を持ち、各面が正方形で、全ての辺が等しい長さを持つ立体です。

この単純な形を理解することで、他の複雑な物体を描くときにも応用が効くようになります。



例えば、複雑な形態のモチーフを理解する上で、単純化したモデルを作る事で理解しやすくなります。

この場合、立方体あるいは直方体等を組み合わせる事で、モチーフの全体の構成が見えてくるようになるといったイメージです。

全体を意識すると同時に各パーツごとの構成を理解していく事で、モチーフの構造の理解を深めていく事が出来るようになるのですね。

パースを意識しつつ輪郭を描く


立方体のデッサンをする上で、まずは大まかなアタリを付け、立方体の輪郭を描いていきます。

立方体 輪郭

【補足】

実際にはここまで輪郭の線は強くないですが、説明の為にあえて強調して描いています。


立方体をデッサンする際、遠近法(パース)が非常に大切です。

立方体を正面から見た場合、すべての面は平行に見えますが、少し角度を変えると、遠くにある面は小さく見え、近くにある面は大きく見えるようになります。

これを「一点透視図法」や「二点透視図法」と言い、現実的な立方体を描くための基本的なルールとなります。



ここで気を付けておきたい事は、立方体のパースラインが逆パースにならないようにする事です。

「逆パース」というのは、消失点に向かうパースライン同士が収束ではなく拡散した線になっている状態の事を言います。

透視図法についての知識があれば一目で逆パースかどうかの見分けをつける事が出来ますが、始めのうちは形の歪みがないかを気にするだけで構いません。


立方体の角度や見え方についての記事はコチラでまとめているので、当記事の補足として参考にしてみてください。

【関連記事】

立方体の様々な見え方



逆パースかどうかを確認する為には、下の画像のように立方体を透視した状態でパースラインを描く事で、実際には見えない箇所でも認識する事が出来るようになります。

このパースラインは後々消しますが、ガイドラインとして頭の中でイメージが出来ているとなお良いです。

立方体 パース


今回の立方体は2箇所の消失点に向かってパースラインが描かれているので、二点透視図法の立方体となりますね。

二点透視図法の立体に関しては、以下の記事にまとめているのでそちらを参照してください。


【関連記事】

二点透視図法の立体について

 

調子をつける

立方体 調子をつける


立方体の形が決まってきたら、次に鉛筆で調子をつけていきます。

「調子をつける」とは、デッサン用語で『鉛筆の濃淡をつける事』を意味します。


【関連記事】

デッサン用語集



ここでは主に立体に光が当たって『陰』となっている箇所に、鉛筆を使って調子をつけていきます。

この際に光の位置を確認し、明暗のメリハリを意識して色の濃さを変える事で、立方体を演出する事が出来るようになります。


モチーフに光が当たる事によって、光が最も当たっている箇所のことを「ハイライト」と呼び、光が当たっていない箇所ことを「シャドウ」と呼びます。

最も暗い箇所であったり、やや明るい箇所など微妙な変化ではありますが、それらを見分けつつデッサンを描き進めていきます。

他にも反射光のように地面や他の物体から反射するわずかな光も描き込むことで、さらにリアルな表現が可能です。

設置面を意識し、地面を描く


立方体が宙に浮いていない限り、地面との設置面を意識して描く必要があります。

基本的には静物デッサンの場合、空想画とは違って重力の影響を受ける事となるので、床面との設置面の描写には気を使うようにしておくようにしましょう。

立方体 デッサン


床面に投影される影を描く事で立方体としての存在感が増すので、設置面の影を描く事はデッサンをする上で大事な要素の一つとなります。

影の微妙な変化を捉えつつ、床面の描写も進めていきましょう。

立方体の完成に向けて描き込む


立方体の存在感を増すためにも、質感を意識して描き込みを続けていきます。

この際に地面の映り込み等も意識してみると良いかもしれませんが、影の形が複雑になってしまうので、そこまで意識する必要はありません。

基本的にはモチーフを見たままの状態で描く事が望ましいですが、用途に応じて光の強さや角度を変えてあげると良いですね。

立方体 デッサン


立方体を描く際のコツとしては、立方体は無機物なのでなるべくまっすぐな線を使って重ねていきながら描く事です。

この技法を『ハッチング』と呼びますが、鉛筆デッサンに限らず様々な技法においても活用出来るので、日頃から練習をしておくと良いですね。



その理由として、曲がった線で描いてしまうと、モチーフとなる立方体のみならず、立方体を取り囲む空間も歪んでしまいます。

質感を描き分ける為に円柱や球体などのデッサンでは曲線のタッチを多用して描きますが、立方体のような直線的なモチーフには直線のタッチで描くようにしましょう。



真っ直ぐな線が描ける事は基本のスキルなので、意識せずとも描けるように日頃からの訓練が大切です。

まとめ


今回は、基本的な形態の一つでもある立方体のデッサンについてまとめました。

立方体のイメージをしっかりと持つことで、様々な場面において応用できます。

なので、是非とも立方体をマスターしておきたいところですね。

それではお読みいただき、どうもありがとうございました。

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小笠原 英輝ペン画家/オンライン絵画教室運営
こんにちは。ペン画家の小笠原です!全国各地のギャラリーでの展示やSNSで作品の発表&販売を行っています。当ホームページでは、ペン画や絵の描き方だけでなく、インターネットを活用して生活していく方法について解説しています。また現在は「絵を学びたい」という方向けに絵画教室の運営にも力を入れるようになりました。 自分の好きな事で生きていきたい方、絵で食べていきたいと思っている方に向けて、有益な情報を心がけて発信しています!
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