こんにちは。ペン画家の小笠原です。
僕は『ペン画』という制作スタイルの画家として活動をしています。
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今回は、丸ペンとカラーインクを使って三毛猫の描き方について詳しくまとめました。
時々家の近くや外出先で三毛柄の野良猫を見かける事もあるので、日常的にも馴染みのある猫だと思います。
性格も個体によってマチマチではありますが、クールでマイペースな様子に個人的に魅了されますね。
そんな愛すべき三毛猫さんですが、今回の解説記事があなたにとって参考になれば幸いです。
目次
三毛猫について
今回描くモチーフは、こちらの三毛猫さんです。
三毛猫は主に白、黒、オレンジの3色の毛並みとなっており、日本を含めた世界各国で愛されています。
日本でも馴染みが深く、三毛猫は招き猫のモデルとしても知られています。
特にオスの三毛猫は三毛猫の中でも全体の1%しかおらず、それ以外の99%がメスなので、非常に貴重であるという事が分かりますね。
ペン画で使う道具
今回の猫の制作では、丸ペンとカラーインクを使って制作をしております。
(下絵を描く際に鉛筆を使って描いていますが、鉛筆に関しては記事中で紹介しています)
丸ペンを使う際は、専用のペン軸とセットで使う必要があります。
また、カラーインクに関しては『DALER ROWNEY』という外国製のインクを使っています。
使用している色は
- バーントアンバー
- ローシェンナ
- レッドアース
- クールグレー
- ブラック
この5種類となります。
ペン画で使うカラーインクに関しては、以下の解説記事も参考にしてみてください。
⇨ペン画で使う2種類のカラーインク
また、カラーインクを専用の薄め液を使う事で、インクの紙への固着力を弱めずに色を薄める事が出来ます。
個人的に使っているのは、こちらのペインティングメディウムです。
以前使っていた薄め液が廃番となってしまった為、代用品としてこちらを使っていますが、問題なく使えていますね。
薄め液とセットで使う事で、薄い色の箇所や白の毛並みを表現する際に活躍します。
ペン画はハッチングと色の濃淡によって明度と色相を変えていく表現となるので、これらを上手く使っていく必要があります。
また、今回は鉛筆同様にペン画で使う道具を一部割愛しておりますが、必要な道具は以下の記事でまとめているので、こちらもご覧になってください。
⇨ペン画で使う画材リスト
制作時間
今回は0号サイズ(18×14cm)の小さいサイズで描いていますが、ペンで描くとそれなりに時間もかかってしまいます。
このサイズの制作時間はおよそ2〜3時間を目安に制作をしていくとよいですね。
三毛猫の描き方の手順
それでは、三毛猫の描き方の手順について、鉛筆の下書きからペン入れまで解説をしていきたいと思います。
今回は縦構図の三毛猫を描いていきたいと思います。
鉛筆で下絵を描く
まずは鉛筆を使って下書きの線を描いていきます。
目、耳、鼻の位置や比率に気をつけながら形をとっていきます。
顔の中央に目があるので、ちょうど真ん中くらいに目がくるように配置しましょう。
下書きにつかう鉛筆はHBから2Bの鉛筆が望ましいです。
その理由として、ペン入れが終わった後に余分な線を消す事になるので、H系の鉛筆のようにこれ以上硬い鉛筆での下書きはなるべく避けた方が無難だからです。
ちなみに、最近はステッドラーの鉛筆が個人的に気に入っています。
ハイユニと並んでオススメの鉛筆ですね。
両者とも鉛筆デッサンで広く愛用されている鉛筆でもあります。
写実的なリアルな絵を描く場合、光が当たっている箇所と影になっている箇所の陰影表現は切っても切り離す事が出来ません。
その為、下書きの段階で鉛筆で薄く陰の濃淡を描いてあげる事で、ペン入れを進めていく上でのガイドとなってきます。
最終的に上からペン入れをしていきますが、余分な線については消しゴムを使って消していきます。
光が当たっている薄い箇所からペンで色をのせていく
明暗バランスのとり方に自信があるのであれば構いませんが、基本的には薄い箇所から色をのせていく方がバランスを取りやすいです。
加えて色味に関しても、オレンジ色の毛並みの箇所から描いていくとバランスが取りやすいです。
動物の毛並みを描く際は、基本的には毛の流れに逆らわずに線を描いていくのが望ましいです。
色を濃くしたい箇所に関してはハッチングを使いながら描いていくと良いですが、光が当たっている箇所に関しては毛並みの描写に留めておきます。
⇨ペン画におけるハッチングについて
3色の毛の描き分けをしながら描いていく
この段階では、白と黒の毛並みについても同時進行で描き進めていくようにします。
黒い部分は濃く描き過ぎてしまうと修正が出来なくなってしまう為、面を塗りつぶしてしまわないように気をつけながら線を描いていきましょう。
ペン画の場合、ハッチングを使いながら描いていく事で、塗りつぶしていくよりも色の調整がしやすいです。
陰影の濃淡を意識しながら描き進めていく
次に、白い毛の箇所も描き進めていきます。
光が当たっている箇所と陰となっている暗い箇所とでは色味が異なるので、よくよく観察しながら描き分けていくと良いです。
陰となってる箇所はグレーの色味なので、グレーの色味を調整しながら描いていきます。
瞳を綺麗に描く
瞳を描いてあげる事で、より一層絵が際立ちます。
ハイライトの箇所に関しては、僕の場合紙の白を残していますが、白抜きが難しいようであれば、白のボールペンを使うのがオススメです。
白のボールペンは、ハイライトだけでなく白い毛並みを表現する際にも使えるので、持っておくと便利だと思います。
特に人間や動物は目の瞳の描き込み具合がとても大事なので、繊細に描いていくと良いです。
ちなみに瞳の黄色い箇所に関しては、『ドクターマーチン ボンベイインク』のイエローを一部に使っています。
ドクターマーチン製のインクは発色がとても鮮やかなので、瞳の透明感を表現するのに適しているインクです。
細部の描き込みを進めていく
あとは余白の白い毛並みの箇所を描き進めていきます。
白い毛並みを描く際は、グレーと白のインクを混色させ、色の調整をしながら描いていきます。
光の当たっている箇所と陰になっている箇所の色の描き分けをしつつ、描き込みを進めていきます。
特にペンで描く場合、白い毛並みの表現は難しいので、少しでも暗い箇所を見極めながら描く必要があります。
完成
全体的に描き込みをしたら完成です。
三毛猫を描く際は、3色の毛並みの描き分けをしながら全体的にまとめていくように心がけてくださいね。
それでは今回の三毛猫の解説は以上となります。
さいごに
今回は日本人にとっても馴染みの深い三毛猫の描き方について解説をしていきました。
鉛筆での下絵から完成までのプロセスを理解する事で、実際に描く際の手引きになる事を期待しています。
この記事があなたにとっての創作の手助けになれば幸いです。
また、以前書いた別の記事でも、ボールペンで描いたモノクロの猫の描き方についての解説もしています。
こちらの記事もあわせてご覧になってみてください。
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