こんにちは。小笠原です。
これからペン画を始めようと思っている初心者の方は、「まずは何から始めれば良いのだろう?」と疑問に感じてしまうかもしれません。
ペン画は他の技法と比べても比較的敷居が低いので、誰でも気軽に始める事が出来るという反面、歴史がまだ浅いので、参考になる書籍や資料がまだ少ないというのが現状としてあります。
僕自身、ペン画を始めてから今年で10年近くになりますが、ペン画の技法というのはまだまだ開拓の余地があるものだなと実感しています。
他の技法と比べると、比較的時間がかかってしまう技法であるデメリットはありますが、細部を徐々に仕上げていく様はクセになりますね!
この記事では、これからペン画を始めようと思っているペン画初心者の方にとって、まず初めに何から手を付けてよいのかについて、実体験を踏まえながらまとめてみました。
「これからペン画を始めてみたいけど、何から始めてば良いのかわからない」という方は、是非とも参考にしてみてくださいね!
目次
【ステップ1】ペン画に必要な道具を揃える
これからペン画を習得していく上で、まずは紙とペンさえ揃っていれば問題なく始める事ができます。
ペン画に適している専用の画用紙を使うのが望ましいですが、はじめの段階ではコピー用紙から描き始めても構いません。
ですが、ある程度描くことに慣れてきて本格的にペン画を習得しようと思い始めたら、相応の道具の準備というものが必要になってきます。
ペン画で使うペンに関しては、ミリペン、ボールペン、つけペン、万年筆といった数種類のペンがあります。
基本的にはどのペンも「線で描く」という事に共通していますが、線の太さや使い勝手によって、自身に合ったペン選びをしていくと良いでしょう。
他にも、価格の違いや「染料」「顔料」といったインクの違いもあるので、その点も考慮しながら選んでいく必要があります。
なので、「まずはいろいろ試してみる」という事が大切ですね!
ペンは100円程度から比較的安価に購入する事が出来るので、購入して試してみるのがオススメです。
中でも、初心者におすすめなのがミリペン、ボールペンです。
丸ペンなどのつけペンに関しては、扱いが少し難しいので、初心者の方はまずはこの2つを使いこなせるようにしておくと良いですね。
僕自身、現在は丸ペンを中心にカラーインクを使いながら使用しておりますが、最初はミリペンとボールペンを使ってモノクロの絵を描く事から始めました。
これらは日常的に使う機会も多いので、初心者の方でも手に馴染みやすいペンだと思いますね。
ペン画に適している紙選び
次に、ペン画に適している紙選びをしていきます。
先ほどはコピー用紙でも可能と言いましたが、長期的に作品の保存するを目的とするのであれば、しっかりとした紙質のものを選ぶ必要があります。
ペン画という特性上、デッサン用の画用紙とは異なり、描いている最中に紙の表面の繊維を巻き込まないように、滑らかな紙質を選ぶと良いですね。
ペン画という特性上、デッサン用の画用紙とは異なり、描いている最中に紙の表面の繊維を巻き込まないように、滑らかな紙質を選ぶと良いですね。
特に、水彩用の画用紙は表面の凹凸があるので、絵の具の乗りは良いですが、ペン画には適していません。
なので、どうしても使いたい場合は、細目、あるいは極細目の画用紙を使うことをおすすめします。
また他にも、厚みのある画用紙を選ぶことで、耐久性が強まるだけでなく、描いている最中に紙がよれてしまう事を防ぐ事が出来ます。
また、色で着彩をする場合においても、耐久力のある紙の方が望ましいですからね。
これに関しては厚口、もしくは特厚口といった厚みの紙を選ぶと良いですが、イラストレーションボードといった、厚みのあるボードもあります。
イラストレーションボードに関しては、1mmから5mm程度と厚みのあるので、ペン先で描き込んでも十分な耐久力があるので、こちらもオススメです。
【ステップ2】スケッチを描いてみる
ペン画を始める上で、まずは気軽に始められるスケッチをしてみるのがおススメです。
スケッチは紙とボールペンさえあれば場所を問わずどこでも描く事が出来てしまうので、その点ハードルがかなり低いと言えるでしょう。
ボールペンに関してはいくつかのメーカーがありますが、外でスケッチをするのであれば、描き心地の良いSARASAのジェルボールペンがおススメです。
スケッチブックに関しては、手ごろな大きさのA5サイズくらいが持ち運びにも便利です。
公園のベンチに座ってスケッチをしたり、カフェやレストランなどで人の動きなどを観察して描いてみたりと、好奇心の赴くままに描いてみると良いですね。
周囲の人の邪魔にならないように配慮しつつ、目に映るモチーフをスケッチしてみると良いでしょう。
【関連記事】
⇨スケッチに関する記事
実物の人や動物を観察しながらスケッチすると、絵を上達させる上での訓練となりますが、デッサンの知識を付ける事で、より写実的に絵を描く事が出来るようになります。
デッサンに関する記事はこちらの記事にまとめているので、良かったらご覧ください。
【関連記事】
⇒デッサンの方法まとめ
【ステップ3】ペン画の技法を習得する
ペン画に必要なペンと紙を用意し、スケッチで絵を描くことに慣れてきたら、今度はじっくりと時間をかけて、絵の制作に取り組んでいきたい欲求も湧いてくるかと思われます。
そこで必要な事として、「ペン画の技法を学ぶ」という事が挙げられます。
ペンで絵を描く上で、基本となる技法を習得する事が出来るように慣れば、あなた自身の絵のクオリティが上がるだけでなく、自分の思い通りに描く事が出来るようになってきます。
なので、是非とも習得をしていけるようにしましょうね!
ペン画の技法
ハッチング
ハッチングとは、同じ方向に描かれた線を使って描く技法となります。
線同士の間隔や密度の変化に加え、線の太さや筆圧によってタッチを変える事が出来ます。
クロスハッチング
クロスハッチングとは、先ほどのハッチングで描いた線同士を十字、あるいは交差させて描く技法です。
これにより、ペンでの濃淡や質感の表現をする事が出来るようになります。
また、明度を濃くする際にも使われており、基本的にはこのクロスハッチングのみで絵を描く事も可能となります。
平行線
平行線はハッチングと同じような使い方をされますが、それぞれ平行な線を描いていく事となる為、集中力が多少必要な技法となります。
遠景の風景を描くといった遠くの霞んだ印象を描く際に適しています。
平行線のみを使った描く方法もあるので、興味がある方は試してみてください。
点描
点描は文字通り、密度の違う点を打つ事で描写していく技法となります。
その為、他の描き方に比べて画面を埋めるのにかなりの時間を要する事となる為、長時間集中し続ける根気と集中力が必要な技法となります。
技法的には難しいものではありませんが、ひたすら根気が必要な技法でもあるので、その点人を選ぶかもしれません。
点描の印象としては、ホコリがかった描写となる為、年代を感じられるような古ぼけたような表現をする事が出来ます。
からまり線
からまり線は、ランダムな線をひたすら描き込んでいくといった技法となります。
ペンをぐるぐると描き連ねていきながら描写する為、自分のイメージを素早く紙面上に表現する事が出来るようになります。
からまり線に関しては、作品制作をする上でも使われる事もありますが、スケッチをする際に描きやすい技法でもあります。
植物や人物など、丸みを帯びた自然物を表現する際に使われる事が多いです。
波状線
波状線とは、波を視覚化したような線の描き方となっており、木の木目や葉の葉脈といった細かい箇所の表現をする上で使われる技法となっています。
この技法を使う事で、質感表現を容易に描く事が出来るので、木の割れ目や切り株などを描く際に使ってみると良いですね。
クロスライン
クロスラインは、クロスハッチングと似ている箇所がありますが、こちらは線同士がランダムな描かれ方をしています。
使い所としては、主に動物の毛並みの表現であったり、地面に生えている雑草などを描く際に使われます。
連結線
連結線は、線同士を繋ぎ合わせるように描く技法となっています。
線の先端同士が連結するように描く事で、布生地の表現など独特な描き方をする事が出来ます。
【ステップ4】絵が上手い人の視点を理解する
絵が上手い人が、「普段どんな事に気をつけているのか?」という視点を取り入れることで、絵が格段に上達する事が出来るようになります。
といっても、そのような人と知り合いでもなければ、コンタクトの取り方がわからないと思われるかもしれません。
そこで、僕自身、実際に絵を描く上で気をつけているポイントについて以下にまとめてみたので、よかったらコチラを参考にしてみてください。
構図のとり方
絵作りをしていく上で、「構図」というのは絵の全体的な印象だけでなく、迫力や自分が表現したい絵作りをしていく上で非常に重要なポイントとなります。
特に「縦構図」にするか「横構図」にするかの違いだけでも絵の印象が変わってくるので、自分がどのようなイメージで描きたいかを先に考えておく必要があります。
縦構図であれば奥行きや迫力などを演出する事が出来ますし、横構図であれば静物画や風景画など落ち着いた印象の絵になるといったイメージです。
構図選びは絵作りをする上での基礎の土台となる部分でもあるので、よくよく考えてから制作に取り組む必要がありますね。
これは何もペン画だけでなく、他の絵に関する技法全般的に言える事でもあります。
構図一つで絵の良し悪しが大きく左右されるので、構図選びはとても大事です。
形の捉え方
モチーフの形を正確に捉えるということは、絵を描く上で基本的な要素となります。
形がしっかりと捉える事が出来ていないと、絵を描く際に歪んでしまったり、違和感を感じざるを得ない描写となりかねません。
それぞれのモチーフの比率を意識しつつ、日頃から形態を捉える為の観察と訓練を行う事が不可欠です。
モチーフの形を捉える際に、単純な形態の組み合わせによって形成されているというイメージを持つ事が大切です。
この際に基本の形態となる立方体、直方体、円柱、球体などのシンプルな形態の組み合わせを意識して描くようにすると描きやすくなります。
ペン画の場合、細かい描写が多い為か細部に目が行きがちではありますが、まずは大まかな形態を意識することから始めるようにしましょう。
光を捉える
光がどの角度から差し込んでいたり、モチーフにどのくらいの強さの光が当たっているのかをしっかりと理解しておく必要があります。
強い光であればモチーフの影が濃くなるので、劇画のようなテイストになりますし、柔らかい光であれば空想的な淡いタッチでボカして描く事となるでしょう。
光に関しては、次の陰影・明暗バランスと関連してくるので、そちらも押さえながら描き進めていくと良いですね。
陰影・明暗バランス
ペンのタッチや筆圧によって、モチーフの陰影や明暗バランスを描き分けていく必要があります。
線の重ね方によって明暗が変わるだけでなく、全体的な絵面にも影響を及ぼすからですね。
明暗バランスに関しては構図、形の捉え方と同じくらい大切な要素でもあるので、日頃から見る目を養ったり、デッサンの練習をするようにしましょう。
1箇所を集中的に描き込み過ぎてしまうと、その箇所だけ黒くなってしまうので、その点を注意しながら線を描き足すようにしていくと良いですね。
質感の描写
モチーフにはそれぞれ質感が異なります。
質感の描き分けをする事で、よりリアルな表現をする事ができるようにもなります。
例えば動物の毛並みを描くのであれば柔らかいタッチの線を使って描いたり、コップや缶などの人工物を描く際は垂直水平な線を多用しつつ、固い質感を描いていくようにします。
ペン画の場合、線の重ね方や密度によって、質感の変化を表現する事が出来るようになります。
特に【ステップ3】でも解説した「クロスハッチング」を含めた描写をしていく事で、モチーフごとの質感の描き分けをしていく事が出来ます。
質感の描き分けは写実的な絵を描くだけだなく、モチーフを取り巻く空間にも影響を及ぼしてくる為、しっかりとした観察と描写を心がけていくようにしましょう。
細部の描き込み
最後の仕上げとして、細部への描き込みを進めていきます。
ペン画は細部に目が行きがちではありますが、上記のプロセスを経た後でないと、細部の描写を活かす事が出来なくなってしまいます。
ペン画は特に細かな表現をする事が出来るので、その分細部への描き込みも無限に行う事が可能でもあります。
ですがその反面、全体像がおぼつかない状態となってしまうと、せっかくの描き込みが活かしきれなくなる恐れがあるからです。
こだわりが強い人ほど時間がかかる傾向がありますが、その分クオリティも上がりますし、表現力も高まります。
ただし、その分実力が試される箇所でもあるので、まずは形の捉え方や明暗バランスといった基本的な事から習得していくと良いでしょう。
【ステップ5】絵が上手な人の作品を模写する
絵を上達させるためには、まずは模写から始めていく事が大切です。
他人が描いた創作物を模写し、それを販売したら問題になりますが、自身の技術向上のために模写するのは決して悪い事ではありません。
多くの有名な作家も初めは模倣から入り、徐々に自分なりにアレンジをした結果、名のある作家として大成する事が出来ました。
ですので、自分の作風が固まっていないうちは色んな人から吸収し、実力を蓄えていくようにしましょう。
模写をする際は、写真を参考にしてみると良いですね。
写真の場合、モチーフが動く心配がありませんし、細部まで描いていく事も出来ます。
ただし、写真を模写する事のデメリットもありますので、メリット・デメリットを踏まえた上で模写してみると良いでしょう。
【関連記事】
⇒写真を元にデッサンや制作をする際のメリット・デメリット7選。
【ステップ6】自分なりにアレンジしてみる
日本の茶道や武道などの修行における一連の流れとして、「守・破・離(しゅはり)」といった3段階があります。
「守」というのは、師匠から学んだ「型」を守る事。
「破」はこれまで習得してきた技術から脱し、自分なりの表現を模索していく事。
「離」は自分のオリジナリティを確立し、作品世界を創り上げていく事。
となります。
これら一連の流れを順番に踏まえていく事で、誰にもできな自分の表現というものが出来上がってくるようになります。
加えて、ペンにもミリペン、ボールペン、付けペンといったように、様々な種類があります。
自分の作風に合ったペンも見つけてみて下さいね。
【関連記事】
⇨ペン画・イラスト・スケッチ。普段使っている4種類のペンのご紹介
ペン画という特性を活かし、あなた自身の創作活動に役立ててみてください。
【ステップ7】繰り返し練習を行う
ペン画を描く上で一連の手順を踏まえたら、繰り返し練習を行なっていく事で絵の上達をしていく事が出来るようになります。
人によっては上達のスピードも変わりますし、家庭環境によっては毎日に練習量も異なる事だと思います。
毎日1時間練習できる人と、ガッツリ日に8時間以上練習できる人とでは、やはり後者の人の方が練習量も多く、その分上達も早まりますからね。
とはいえ、それでも日々コツコツと継続をしていく事で上達していく事が出来るので、自分の納得のいく形で日々の習慣として取り組んでいくようにしてみてくださいね!
ペン画初心者におすすめな練習方法
以上を踏まえた上で、ペン画初心者の方の練習手順についてまとめておきたいと思います。
これらは実践を踏まえた上での練習方法でもあるので、是非とも日々の生活に取り入れることをオススメします。
線の練習方法
線を描く上での練習方法として、以下の方法を意識して実践していくと良いでしょう。
縦横の均一な線を描く
丸、三角、四角などのシンプルな図形を描く
質圧を変えた線を描く
線同士のタッチを重ねて描く(ハッチングの練習)
グラデーションを作る
これらを意識しながら線を描いていく事で、ペン画の上達だけでなく、日々の練習にも役立てる事が出来るようになるのでオススメです。
このような地道な積み重ねが後々役に立ってくるので、実践あるのみです。
まずは1日5分でも10分でも実践をしてみる事で、ペンの力加減を知り身につける事ができるようにもなってきます。
形をとる練習方法
線を描く練習にある程度慣れてきたら、今度は形を意識して描くようにしていきましょう。
そのためにも、まずは基本の形でもある
- 立方体、直方体
- 円柱
- 球体
これらを意識しつつ形をとるようにしていきます。
いきなり複雑な形から描き始めてしまうと自分の頭の中で処理する事が出来ず、上手く描く事が難しくなってしまいます。
その結果、挫折してしまう恐れもあるので、初めのうちはシンプルなモチーフから描いていくと良いです。
ティッシュ箱、コップ、アルミ缶といった日常的にありふれているモチーフを選ぶ事で、形をとる練習にもなってきます。
徐々に慣れてきたら今度は応用し、様々な形態を組み合わさったモチーフを描写してみると良いです。
その分、作品の難易度も上がりますが、自分自身のスキルアップが実感できるようにもなるので、描きごたえが出てくる事が分かると思います。
まとめ
今回は、ペン画初心者の方がペン画を習得する上で必要なステップについて解説をさせてもらいました。
ペン画にはペンでしか出せない表現が出来るので、是非とも自分なりの表現を探してみてください。
ペン画の奥深さは、実際にペンで描いてみないと分かりませんので、もし興味があれば始めてみてくださいね!
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