こんにちは。ペン画家の小笠原です。
この記事では、透明水彩絵具を使って風景画の描く手順についてまとめています。
最近はデジタル画が主流になってきているので、「今さらアナログ?」と思われる方もいるかもしれません。
ですがアナログにはアナログの良さがあるので、定期的にパレットを引っ張ってきて水彩画を描きたくなる事もありますね。
そこで今回は透明水彩絵具を使って風景画を描きました。
都内某所の石畳のあるこちらの小道です。
最近は主にペンを使って描く事が多いのですが、久しぶりに以前の感覚を思い出しつつ描いてみました。
水彩画は他の画材と比べても比較的手軽に描く事が出来ますし、とりわけ透明水彩絵の具は固形の絵の具を使えば持ち運びにも便利な道具です。
また作品として使うだけでなく、スケッチに着彩をする場合でも透明水彩絵の具は便利な画材と言えるでしょう。
技法としては、下地の色を浮かび上がらせながら描いていく技法でもあるので、初めは慣れないかもしれませんが徐々に良さがわかってくるものでもあります。
例えば、透明感のある素材や淡い光の表現などがしやすいのではないかと思われます。
ちなみに今回も撮影をしたので、制作過程動画をYouTubeにアップしています。
【YouTubeで観る】
⇨https://www.youtube.com/watch?v=M5tBFMGuHrY
完成間際まで撮影したせいか、長尺となってしまった為、8倍速の動画となっています。
コチラも記事と併せてご覧いただけると幸いです。
では、動画の一部を切り取りつつ、要所要所のポイントについてまとめていきたいと思います!
目次
水彩画 風景の制作過程
サイズ B5
制作時間 2時間から3時間
下絵を描く
水彩絵の具で着彩をする為にも、まずは鉛筆で下絵を描いていきます。
鉛筆は主にHBから2Bの濃さの鉛筆を使用する事が多いかもしれません。ちなみに今回はハイユニの2Bを使って下絵を描いています。
下絵の線を描く際は主に2B~4Bの鉛筆を使う事が多いのですが、鉛筆デッサンをする際にも使い勝手の良い濃さなので、多めに持っておくと重宝すると思います!
【関連記事】
⇒デッサンで使う3種類の鉛筆比較。まずは使いこなせるようになろう!
⇒鉛筆デッサンをする際に使われる主な3つの鉛筆の持ち方・使い方
ちなみに今回はシリウスの水彩紙を使っています。
水張りをする代わりに、木製のパネルにマスキングテープで留めています。
僕の場合、この絵のメインとなる小道を先に書いてから、周囲の状態を描いていく事にしています。
自分が描きたい箇所、あるいは見る人に伝わってほしい箇所を重点的に描く事によって、自分が意図している絵を描く事にも繋がっていく事でしょう。
下絵は人によって時間のかけ方が違うので、一概にどの程度描き込んだ方が良いかは人それぞれです。
ちなみに今回僕は下絵に30分から40分程度の時間をかけています。
場合によっては、下絵を描き込む事で着彩をした際により鮮明に絵を描くことも出来るので、1時間から1時間半かける事もあります。
また、描く対象物によって描き込みも変わってきますので、その都度臨機応変に使い分けていけると良いと思います。
着彩
鉛筆で下絵を描きましたら、次に透明水彩絵具で着彩をしていきます。
主な用途としては、風景画や静物画を描く際に用いられやすい絵具ですね。
個人的にはウィンザー&ニュートンの絵の具が発色が良いので使っていますが、始めの内はホルベインの絵の具の方がリーズナブルで使いやすいかもしれません。
パレットに関しては色数に合わせて揃えておくと良いと思いますが、後々自分で使いやすいものに変えるのも良いと思います。
また、絵筆を洗うバケツに関してですが、折り畳み式の方が外出先でも気軽に写生出来るので便利だと思います。
明るい箇所から色を乗せていく
透明水彩絵の具を使う場合、まずは薄い箇所から色を乗せていくように描いていきます。
理由としては、初めに濃く描きすぎてしまうと後々修正が利きにくくなってしまうからですね。
透明水彩絵の具は、 重ね塗りをする事で下地の色が透けるという特性があるので、その良さを損なわない為にも薄い色から徐々に塗り重ねていくイメージで描いていきます。
特に空や遠景の景色は画面の中でも淡い色味でもあるので、まずはこの箇所に色を乗せていくようにしています。
【補足】
透明水彩絵具の良さは、透明感であったり、絵の具を重ねる事で下地の色が浮き出てくる事でもあります。そのため、透明水彩絵具で色を重ねて塗る場合は、基本的には絵具が乾いてから塗るようにするのが望ましいです。
乾かないうちに重ね塗りをしてしまうと、絵具の透明感が損なわれてしまい、濁った色味になりかねないので注意が必要です。
陰影を意識しながら描く
次に、陰影を意識して色を乗せていきます。
風景画を描く上で特に大事な事は、太陽の位置を決めておく事です。
太陽の光源が定まっていないと、絵の中で統一感が損なわれてしまいますので、まずはどの位置に光源があるのかを予め設定しておきます。
その上で、光が当たっていない箇所の陰影を描き足していき、立体感を演出していきます。
メリハリをつけながら質感を描き分けていく
陰影を描いたら、今度は質感を意識して描いていきます。
透明水彩絵の具の場合、淡い表現で描く事となるので、どちらかと言えば厚塗りが出来るアクリル画とは違い、細部の表現がし辛いと言えるかもしれません。
細かい箇所は細めの筆を使って線を描き足していく事が出来るので、それぞれのモチーフの質感を意識していきながら描いていくようにすると良いでしょう。
完成
以上で完成となります。
透明水彩絵の具は気軽に扱える画材でもあるので、自分の頭の中にあるイメージをササッと描くのにも適しています。
アクリル絵の具や油絵のような重厚感はありませんが、初心者の方でも使いやすい画材と言えるでしょう。
ここまでご覧頂き、ありがとうございました!
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