この記事では、一点透視図法での立方体の書き方についてまとめております。
また同様に直方体の描き方にも通じてくるので、この機会に習得していただけると幸いです。
目次
遠近法・透視図法を意識する
立方体・直方体を書く際に意識してもらいたい事が「透視図法」です。
透視図法とは、物体や空間を意識して書く際に用いられる技法で、立体の大小や奥行などを表現する際に使われます。
【関連記事】
⇒遠近法の作り方、書き方について
初心者の方には聞き慣れない言葉かもしれませんが、この透視図法というものは立体的な絵を描く上で非常に重要な技法であるとも言えるでしょう。
また、透視図法の事を「パース」とも言います。(絵を描き慣れている人であれば、こちらの方が聞き慣れているかもしれません)
例えば、風景を見る際に近景(近くの景色)のモノは自分から近ければ近いほど大きく見え、逆に遠景(遠くの景色)に向かうにつれてモノが小さく見えます。
このように、遠近法を利用する事によって対象となるモノの大きさを把握する事や、自分との距離感を絵の中で感じさせる事が出来るようになります。
ですので、まず初めにシンプルな形態として立方体・直方体といった形態のものを、透視図法を利用して技術を習得していきましょう!
また、今回解説する一点透視図法についてスライドショー動画にまとめました。
コチラもご覧頂けると幸いです。
【YouTubeで観る】
⇨https://www.youtube.com/watch?v=Wq6Fr8F9WFg
では、解説を始めていきたいと思います。
消失点について
「消失点」とは、透視図法を使う際に用いられる「点」で、この消失点に向かって補助線を描いていく事で、物体との距離感や奥行を捉えていきます。
【補足】
別名VP(「バニシング・ポイント」の略)とも言い、透視図法を習う際によく用いられるアルファベットでもあります。
この段階ではまだ消失点についてパッとイメージ出来ないという方も居るかもしれませんが、次のステップを読み進めていきながら理解を深めていきましょう。
アイレベルとなる補助線を描く
透視図法を使う際に、まず初めに目線の高さを表す「アイレベル」という線を書きます。
【関連記事】
⇒透視図法で使われるアイレベルについて
(※この記事では、立方体・直方体を書く事に重点を置きたいため、実際の目線の高さに関してはそれほど意識していなくても構いません。)
まず初めに、画面と水平に線を一本書きます。
そして次に、アイレベルの上に消失点を設定する事となりますが、ここでは画面の中央辺りに設定しておきましょう。
この記事では一点透視図法をベースに解説しております。
【補足2】
目線の高さは人によって違うかもしれませんが、風景や室内など、実際の人間のスケールでもってデッサンをする際は、おおよそ150センチ程で設定しておくと良いでしょう。
正方形・長方形を描く
まずはアイレベルの線の下あたりに正方形を描きます。
この際に正方形は垂直水平の直角であると望ましいです。
長方形も同様に補助線を引いていきますと、このようになります。
【補足】
慣れてきたら、今度はアイレベルの上や真横に正方形・長方形を書いてみるなどしても良いでしょう。
消失点に向かって補助線を書く
正方形の四隅の点から消失点に向かって、それぞれ補助線を書いていきます。
(この記事では分かりやすくする為、補助線を点線で書いています。)
補助線は最終的に消しゴムで消してしまう為、なるべく薄い線で書く事が望ましいです。
垂直・水平な線を書き足す
一点透視図法の場合、補助線を書き終わった後におおよその長さで構いませんので、立方体・直方体に見えるような位置に垂直・水平な線を書いていきます。
そこで他の補助線と接する部分まで線を書いていきます。
見えない箇所の補助線も書く
最終的に立体の影に隠れてしまい見えなくなってしまうかもしれませんが、パースの線を書く際には必ず見えない箇所の線も意識して書く事で、形の狂いを防ぐ事が出来るようになります。
補助線と実線の濃さを変える
ここでは分かりやすく解説する為に、補助線と実線の色の濃さを変えております。
単純な形態であれば頭が混乱する事は無いかと思われますが、複数の立体が乱立していたり、複雑の形態を書く際には沢山の補助線が書かれる事となります。
ですので、自身でわかる範囲で構わないので、補助線と実線の区別がつくようにしておくと良いでしょう。
消失点に向かって残りの線を書き足す
補助線を消しゴムで消す
実際に鉛筆で濃淡を付けていく際には補助線は不要となります。
形がしっかりと取れたら、隠れている箇所の線を消しゴムで消すようにしましょう。
一点透視図法におけるパースに関しては、ひとまずこの段階までで終わりです。
完成
以上の事から、一連の流れで立体・直方体を書く事が出来ました。
パースという概念を理解していく事で、立体を含め、様々な形態にも応用していく事が出来るようになりますので、まずは基礎固めとして立方体・直方体の書き方を押さえておきましょう。
また、二点透視図法・三点透視図法を用いた際の書き方も押さえておくと、よりそのバリエーションを増やしていく事が出来るようにもなります。
まとめ
基本の形態となる立方体・直方体をマスターする事で、様々な形態のモチーフにも対応していく事が出来るようになります。
また、円柱・円錐・球体の描き方も理解していく事で、デッサンの基礎固めとして必要なプロセスともなってきます。
✅ 電子書籍『ペン画技法解説書』
✅ メール講座『絵の描き方』
✅ デッサン道具の知識
✅ アートで生きていく為の入門書
✅ メルマガ読者特別プレゼント
など、以下より受け取る事が出来ます。
⇩ ⇩ ⇩