パースについて学ぶ際、
といった図法を学ぶ事となります。
その際に、「アイレベル」という言葉を
見る事があると思います。
アイレベルとは、
パースや透視図法を理解するうえで
非常に重要な考え方です。
アイレベルの位置を理解すると、
見上げ構図や見下ろし構図を
自然に描きやすくなり、
背景や建物の奥行き表現も
しやすくなります。
この記事では、
- アイレベルの意味
- 地平線や消失点との関係
- 絵の印象の変化
- 初心者向けの練習方法
について初心者向けに
わかりやすく解説していきます。
目次
アイレベルとは?

アイレベルというものは、
その名の通り
「目のレベル(標準)」
などと直訳されます。
さらに、美術用語として
言い換えると、
「目線の高さ」
という事になります。
透視図法を使う際に、
まず最初にこのアイレベルを
設定する事になるのですが、
どの位置に設定するかによって
モチーフの見え方が
変わってくる事となります。
アイレベルは、
パースを考えるうえで
基準になる線です。
一点透視図法や
二点透視図法では、
消失点がこのアイレベル上に
置かれる事が多く、
背景や建物、箱などを
描く時の見え方を決める
大切な目安になります。
つまり、アイレベルを
どこに置くかによって、
「見上げている絵」になるのか、
「見下ろしている絵」になるのか、
あるいは自然な目線の絵になるのかが
変わってきます。
透視図法についてさらに
理解を深めたい場合は、
以下の記事も併せて
参考にしてみてください。
アイレベルは、
透視図法を理解するうえでも
重要な基礎知識です。
パースの基本的な考え方や、
一点透視図法・二点透視図法・
三点透視図法について
さらに詳しく知りたい場合は、
以下の記事も併せて
参考にしてみてください。
人によって目線の高さが違う

たとえば、
小学校低学年の子供の身長と
大人の身長は違いますので、
同じものを見てもそれぞれ
見えるものも変わってきますよね?
少年・少女時代を思い返して頂けると
イメージをしやすいかもしれませんが、
大人を見る際に必ずと言っていいほど
見上げていた事だと思います。
その視点で様々なものを見渡すと、
背伸びをしたり
高めの台に乗ってみない限り、
大人と同じものを見る事が
出来なかった事だと思います。
逆に、子供の目線でしか
気づき得なかった情報を得たりするなど、
身長の違いによって見る景色も
ガラリと変わってくる事もあります。
目線の違い
7~8歳くらいの子供の身長は
およそ120cm程度。
一方で、成人男性の平均身長は
およそ170cmほどですので、
当然ながら目線の位置も変わります。
アイレベルの高さも
それに合わせて変化します。
見る視点の人がどんな人物かによって、
それに伴って絵も変わってきます。
アイレベルと地平線の関係

アイレベルは、
屋外の風景で考えると
地平線の高さと近い意味を持ちます。
たとえば、広い道や海、
平原のような場所を見た時、
遠くの景色が水平に集まって
見える位置があります。
この高さが、
絵の中でのアイレベルになります。
透視図法では、
このアイレベル上に消失点を置く事で、
建物や道、部屋の奥行きを
自然に表現しやすくなります。
アイレベルが
曖昧なまま線を引いてしまうと、
画面の中で奥行きの方向が
バラバラになってしまい、
見る人に違和感を
与えやすくなります。
高低差の違い

また同様に、自分がいる位置によっても
目線の高さは変わってきますので、
シチュエーションの違いによっても
アイレベルが変化してくるという事を
意識しておきましょう。
地上から見るのと、二階建て、
あるいはそれ以上に相当する
ビルからの眺めの違いは
一目瞭然の事となりますね。
この場合、スケール感が
かなり変わってくるので、
二点透視図法に留まらず、
三点透視図法を用いるようにもなります。
さらに、高台の上から
見下ろすようなスケールになってくると、
周辺にある建物がはるか遠くに
見える程のものとなってきます。
アイレベルが変わると絵の印象も変わる

アイレベルの位置が変わると、
絵全体の印象も大きく変わります。
アイレベルを低く設定すると、
モチーフを下から見上げるような
構図になります。
建物や人物が大きく、
迫力のある印象になりやすく、
力強さや威圧感を出したい時に
使いやすい構図です。
反対に、アイレベルを高く設定すると、
モチーフを上から見下ろすような
構図になります。
街並みや室内の広がりを見せたい時、
人物を小さく見せたい時、
全体の状況を説明したい時などに
向いています。
このようにアイレベルは、
単にパースを正しく取る為だけの
ものではありません。
絵の迫力、距離感、
物語性を決めるうえでも
重要な役割を持っています。
イラストや漫画では、
下から見上げる構図を「アオリ」、
上から見下ろす構図を「フカン」
と呼ぶ事があります。
これらもアイレベルの位置と
深く関係しており、
迫力のあるシーンや
広がりのある構図を作る際に
よく使われます。
初心者が混乱しやすいアイレベルの考え方

初心者が混乱しやすい点として、
アイレベルを
「描かれている人物の目の高さ」
と考えてしまう事があります。
もちろん、人物の視点で描く場合は
その人物の目の高さが
アイレベルになります。
一方で、イラストや絵画では、
画面を見るカメラの位置によって
アイレベルが決まります。
画面内に人物が複数いる場合でも、
基本的にはひとつの画面に対して
アイレベルを設定します。
人物ごとに別々の
アイレベルを設定してしまうと、
背景や床、家具の奥行きが合わなくなり、
不自然な見え方になりやすいです。
まずは
「この絵はどの高さから見ているのか」
を決めてから、
アイレベルを引くようにすると
整理しやすくなります。
アイレベルを理解する為の練習方法

アイレベルを理解するには、
同じモチーフをアイレベルの位置だけ
変えて描いてみる練習が効果的です。
まずは、箱や机、椅子のような
シンプルな形から始めると
わかりやすいです。
紙の中央あたりにアイレベルを引いた場合、
自然な目線に近い構図になります。
次に、アイレベルを低くして描くと、
箱や椅子を見上げたような
構図になります。
さらに、アイレベルを高くして描くと、
上から見下ろしたような構図になります。
同じモチーフでも、
アイレベルの位置を変えるだけで
印象が大きく変わる事がわかります。
最初から複雑な背景を描こうとするよりも、
まずは単純な立方体や
室内の一角で練習すると、
パースの感覚をつかみやすくなります。
よくある質問(FAQ)
アイレベルとは何ですか?
アイレベルとは、絵を見る人の
目線の高さを示す基準線の事です。
透視図法では、
消失点を置く目安にもなり、
背景や建物の奥行きを
自然に描く為に重要な役割を持ちます。
アイレベルと地平線は同じですか?
屋外の風景では、
アイレベルは地平線の高さと
近い意味で扱われます。
広い道や海、平原のような場所では、
遠くの景色が水平に集まって見える
位置がアイレベルになります。
アイレベルが低いと絵はどう見えますか?
アイレベルを低く設定すると、
モチーフを下から見上げるような
構図になります。
建物や人物に迫力が出やすく、
力強さや威圧感を表現したい時に
向いています。
アイレベルが高いと絵はどう見えますか?
アイレベルを高く設定すると、
モチーフを上から見下ろすような
構図になります。
街並みや室内の広がりを見せたい時、
全体の状況を説明したい時に
使いやすい構図です。
アイレベルと消失点の関係は何ですか?
一点透視図法や二点透視図法では、
消失点は基本的に
アイレベル上に置かれます。
消失点の位置がずれると
奥行きの方向が不自然になりやすい為、
まずアイレベルを決めてから
消失点を配置すると
整理しやすくなります。
※この記事は、デッサン・
透視図法を用いた背景制作や
構図研究を行っている作家
小笠原英輝が実制作経験をもとに
まとめています。
まとめ
アイレベルについて意識する際、
見る人であったり
置かれている状況によって、
同じものを見るにしても
変わってくるという事を
意識しておくと良いでしょう。
制作で用いる際、
アイレベルの設定位置によって
絵の見え方や構図も変わってくるので、
絵作りにおいて重要な
要素であると言えます。



























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