こんにちは。ペン画家の小笠原です。
これからペン画を始める際に、「教室に通った方が良いのかな?」と思う方も少なく無いと思います。
僕自身、美大予備校に通い、そこでデッサンの基礎や絵の描き方について学びましたが、それらの基礎を元に制作を続けてきました。
なので、ペン画という技法について習ったわけではなく、ほぼ独学で習得してきたのですが、今現在においても制作が続けられているのは、やはり基礎があったからだと思っています。
そこで今回は、これからペン画を学ぶ上で、「実際に教室に通うべき?」もしくは「教室に通うメリット」等について解説をしていきたいと思います。
目次
ペン画の教室に通うべき?
ペン画を学ぶ上で、「絵画教室に通うべきかどうか」という疑問も少なからず湧いてくるかと思われます。
絵の基本を知っているのとそうでないのとでは、技術的な進歩に差が出てしまったり、場合によってはクセのある描き方となってしまうかもしれません。
もちろん、それは必ずしも悪い事では無いのですが、新たに技法を習得していく上で、場合によってはそれが障害となってしまう恐れもあります。
自分のクセが強過ぎるあまり、他の手法を取り入れる事が難しくなってしまうという事ですね。
このように、一長一短ではありますが、自身が目指したい方向性を見定めた上で、教室に通うかどうかを検討していくと良いでしょう。
ペン画は独学では習得できない?
ペン画は独学で習得が出来るかどうかというのには、僕個人の意見で言えば「独学で習得は可能」と考えています。
冒頭でも言ったように、現に僕自身、ペン画について人から習った事はありませんし、基本的には書籍を参考にして技術を高めていく事が出来るようになりました。
また、美大の入学試験で受かる為に鉛筆デッサンを何百枚と描いたので、それなりに絵に対して自信もありましたからね。
とはいえ、これまで絵を描いた経験が浅い初心者の方であったり、学びたての方にとっては必ずしも当てはまるとは限りません。
以下では、教室に通わずとも独学で学んでも大丈夫な人についてご紹介していきたいと思います。
教室に通わず独学でも大丈夫な人
自分軸を持っている人
作品制作に対する自分なりの信念を持っているような人であれば、その意思を尊重し、独学で勉強をするのもアリだと思います。
実際に独学で画家として活動をしている方もいますので、独自路線で突き進んでいくという方向もあり得ますからね。
その為、独学であるが故に道なき道を歩んでいく事となるので、精神的に強くあり続ける必要がありますし、何よりも制作を続けていく為の意思を強く持つ必要があります。
ただ、このような方はいわゆる天性の才能を持っているというパターンもあるので、人から教わって型にはめられるよりも、自分独自の路線を突き進んで行った方が良いとも言えますね。
基礎がしっかりしている人
2つ目に、「しっかりとした基礎が備わっている人」も独学でペン画の習得をする事が出来ると思います。
僕自身、この2つ目のパターンに該当するタイプで、ペン画に関しては人から習ったりはせず、参考書や他のペン画作家さんの作品を参考にしながら自身の画風へと落とし込んでいきました。
特にデッサンの基礎が備わっている人は、絵の描き方についての理解があるので、ペン画の習得もスムーズです。
自分の描きたい世界観がすでにある人
自分が描きたい世界観がすでにある人もまた、独学で学んでいく事に適していると言えます。
すでに頭の中でイメージがある人は、それに適した形で必要な知識を得ていく事で、表現をしていく事が出来るようになりますからね。
例えば、建設業に携わる仕事をしている方であれば、建物の構造や製造工程などに精通しているので、実際に描く上でもそれらの知識を元に描く事が出来ます。
18世紀のイタリアで活躍したジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージは、元々はローマの遺跡調査を行っていた建築家でしたが、その経験を元に銅版画で空想の建造物を手掛けていました。
ピラネージの遺した作品の数々は、西洋美術史にも掲載されるほど功績を残しており、現代においても強い影響力を及ぼしています。
このように、自身の携わってきた仕事や経験を元に、絵画制作においても活かす事が出来るようになります。
独学で学ぶ方法
ここでは、独学でペン画を学ぶ方法について自身の経験を元にご紹介をしていきたいと思います。
参考書から学ぶ
まず手始めに行う事といえば、世の中に出回っている技法書や参考書を一通り購入する事から始めましょう。
一冊あたり2〜3,000円程度で購入する事が出来ますし、一冊の書籍から得られる情報はかなり膨大なので、コスパとしても良いですからね。
書籍代として2〜3万円購入すれば、一通りの知識やスキルを身につける事が出来るようにもなります。
一方で絵画教室に通う場合、ひと月あたりの月謝が5,000円から数万円費用がかかってしまう他、画材費用などもかかってしまいます。
およそ1ヶ月分の月謝費用を参考書に充てる事で、書籍に換算したら大方の情報を得る事が出来てしまいますね。
一方で、書籍の場合は活字と挿絵が中心となっている為、実際の手の動かし方については脳内で補完していかなければなりません。
また、絵画教室の場合、手取り足取り教わる事が出来るのに加えて、質問箇所に対しても丁寧に答えてくれるという事もありがいです。
それらを踏まえると、月謝数万円という金額は決して高くは感じられないと思います。
なので、まずは知識を得ようとするのであれば、書籍の購入から始めてみると費用を少なく抑える事がオススメです。
プロや自分の好きな作家の模写をする
次に、すでにプロとして活躍している人の作品であったり、自分が好きなペン画作家の作品を模写する事で、スキルの習得を行う事が可能です。
展示会に足を運んでみたり、画集を販売している場合は購入するなど、その人に関するものであれば片っ端から購入する事で吸収していく事が出来るようにもなります。
また、現存する作家でなくとも、過去の偉人らの作品であれば資料も豊富です。
模写の訓練として取り入れていくのであれば、いくらでも描く事が出来ますし、ネット上で公開されている作品を使用する事で無料で模写をする事が可能です。
ただし、注意点を言うと、著作権に関しては作者の死後50年間(国によって異なる)は保持されているので、模写に留めておくのであれば問題ありませんが、自身の作品として公表するのはやめておきましょう。
あくまでも模写として練習するのであって、自身の作品ではありませんからね。
特に現存する作家の作品に関しては自身の作品として発表したら大問題になりかねないので、その点は注意しておくようにしましょう。
コチラで紹介したように、独学で学んで成長できる人もいますが、人によっては人から教わった方が成長できるという方もいます。
なので「自分がどちらのパターンなのか?」について知った上で、必要とあれば教室に通うことをオススメします。
教室に通うメリット
ここでは、絵画教室に通うことのメリットについてお伝えしていきます。
絵画教室に通う事で、実際にスキルを学ぶ事が出来るだけでなく、直接先生から指導を受ける事が出来ます。
なので、わからない事があればすぐに質問する事も出来ますし、他の人の作品に触れる事で刺激を受ける事もできます。
独学だと現在の自分の立ち位置が見えづらくなってしまったり、人から指摘を受けないと間違ったやり方のまま続けてしまい兼ねません。
以上の事から、絵画教室に通うことは画力向上をする上でメリットとなりえます。
どのような教室に通うべき?
先生の作風が気に入っている
まず一つ目として「誰から教わるか?」という事が挙げられます。
自分が好きな作風を描く先生であったり、親身になって指導してくれる先生など、相性の良し悪しに関しても講義を受ける上でのモチベーションになりますからね。
教わる先生の作風が自分の目指している作風と合わない場合は、ゴールが見えづらいという事でもあるので、結果的に技術の習得が遅れてしまう恐れもあります。
また、自分に合ったレベルで教えてくれるかどうかも見分けるポイントの一つでもあるので、それらを考慮しつつ教室選びをしていくと良いでしょう。
自宅から通える距離にある
興味があったり、自分が習ってみたいと思えるような教室を見つけたとしても、自宅から距離が遠いと毎回通うのに苦労してしまいます。
毎回片道2時間以上かけて通うのも一苦労ですからね。
また、普段の仕事で忙しかったり、日常の雑事で忙しいと教室と自宅との距離が遠いと余程の強い意思や時間の使い方を変えていかないと通うのも大変です。
かといって、自宅付近に自分が通いたいと思える絵画教室があれば良いのですが、そのような教室があるかは運次第なところもあります。
オンラインでも受講が可能
自宅から通う事が困難な場合でも、オンラインで受講が可能であれば、時間や場所を問わずいつでも受講する事が可能となります。
オンライン環境が整っていれば、仕事や家事の合間に講義を受講したり、ZOOMを使って直接講師の方に指導を受け事が可能となりますからね。
また、毎回が塾との往復の画材の持ち運びも大変なので、自宅で学べるのであればそのような労力も無くて済みます。
これらの事を踏まえた上で、どのような教室に通うべきかを検討する材料として考慮してもらえると幸いです。
まとめ
今回は、ペン画の技法を習得する上での教室に通うかどうかについてご紹介させてもらいました。
僕自身、ペン画についてはほぼ独学で学んだようなものでもありますが、基礎となるデッサン力の習得は必要だったと思わされます。
また現在はオンラインで絵画教室を運営しておりますが、絵を描く上での基礎となるデッサン力を身につける事から始め、ペン画のスキルについても解説をしております。
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