こんにちは。ペン画家の小笠原です。
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今回は、デッサンを描く際の一般的な手順について詳しく解説をしていきたいと思います。
デッサンとは、「観察力」と「技術」を用いて対象物となるモチーフを描写する行為ですが、各ステップにはそれぞれの目的があります。
描き方の一連の動作を覚える事も大事ですが、それと同様に「なぜこのようなステップを踏まえる必要があるのか?」という事も理解しておく事で、一つ一つの動作を踏まえながらステップアップしていく事に繋がります。
それでは、デッサンをする上での順番について見ていきましょう。
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目次
デッサンの描き方の順番
1. 画材道具の準備
まず初めに、デッサンに必要な画材道具の準備をする事から始めていきます。
道具が揃っていないと何も始める事ができませんからね!
そこで、まずは揃えるべき道具として以下のものが挙げられます。
- 画用紙
- 鉛筆や木炭
- カッターナイフ
- 消しゴム
それでは、それぞれの道具についてみていきましょう。
画用紙
まずは、デッサンに必要なスケッチブックや画用紙を用意する必要があります。
デッサン用画用紙、あるいは木炭画用紙を使用して描写していきます。
使用する紙の質感や厚さにより、描きやすさが変わってくるので、紙選びは自分に合った画用紙を選ぶ必要があります。
とはいえ、初めのうちはどの紙が良いか分からないと思うので、一般的に売られている画用紙やケント紙などを使うと良いですね。
鉛筆や木炭
次に、デッサン用鉛筆に関してはHB、2B、4Bなど、硬さの異なる鉛筆を用意し、描画の幅を広げます。
鉛筆デッサンでは基本的にはハイユニもしくはステッドラー製の鉛筆を使うのが望ましいので、準備しておくようにしましょう。
(※木炭やコンテもデッサンには適していますが、木炭の粉による汚れが気になるようであれば、鉛筆でのデッサンをオススメします。)
カッターナイフ
次にカッターナイフですが、デッサンで使う鉛筆はカッターナイフで削るのが一般的です。
その理由として、鉛筆で濃淡を付ける際に黒鉛の広い面を使う事で、陰影表現をしていくのに適している為です。
デッサンに使うカッターについてはコチラの記事で解説をしているので参考にしてみてください。
練り消しゴム
次に、練り後消しゴムを用意します。
練り消しゴムは柔らかく、軽いタッチで消すことができますし、モチーフの陰影やハイライトを演出する上でも便利な道具となります。
また、普通のプラスチック消しゴムも細かい修正をする際に便利ではありますが、あまり使い過ぎてしまうと紙を痛めてしまう原因となってしまうので、その点注意が必要です。
2. 観察と構図を決める
道具の準備を済ませたら、モチーフの観察と構図決めをしていきましょう。
構図を決めるという事は、絵の全体の印象を左右する事となるので、かなり大事な要素となってきます。
「人は見た目が9割」と言われているように、絵の場合にとっても構図の良し悪しというのが第一印象となってきますからね。
そこで、絵の構図を決める上で以下のことを押さえておく必要があります。
- 1.全体像の把握
- 2.視点と構図を決める
まず1つ目に、モチーフをじっくりと観察し、絵の全体像や形やバランスなどの主な特徴を把握します。
そうする事で、絵に対するイメージを膨らませる事が出来るので、完成というゴールが見えてくるようになります。
次に、全体像が見えてきたら描きたいアングルや視点を決めていきます。
構図を決める上で、紙のどこにどのようにモチーフを配置するかを考え、大まかな位置関係を確認しておきます。
この際に、エスキース帳やスケッチブック等を使って、絵の構成を練っていきます。
絵の構図が決まったら、鉛筆あるいは木炭等を使って描き出していきましょう。
3. アウトライン(輪郭線)の描画
モチーフの形をとる上で、最初は軽いタッチで大まかなアタリを付けながらアウトライン(輪郭線)を描いていきます。
この段階では詳細にこだわらず、全体のバランスや構図に意識を集中させながら、ラフに描いていきます。
形を決める際は、モチーフの基本形(例:立方体、円柱、球など)をイメージしながら描き、その中に詳細な形を組み込んでいくようにすると、モチーフの構造を理解しながら描きやすくなります。
特に、円柱は人体の関節の動きや不規則な形態を描く上で応用の幅が利きやすいので、しっかりと押さえておくようにしましょう。
4. 形をとる
形の修正と調整
ラフなアウトラインをスケッチする段階で、形の歪みやバランスに問題があった箇所の修正をしていきます。
この際に必要に応じて線を引き直すなど、アウトラインの調整を行なっていきます。
モチーフの中でも、特徴的な部分や細部(例えば、目、鼻、口、葉脈など)の描き込みをしておく事で、デッサンを描き進めていく際のガイドラインとなり得てきます。
この段階では、線の強弱や太さを意識しながら描き進めておく事で、モチーフの重さや床との設置面を意識した描写がしやすくなってきます。
5. 陰影を描き込む
陰影を描き込みをする作業では、以下の2つの事を意識しながら描き進めていきます。
- 光源の設定
- トーンの描写
では、それぞれ見ていきましょう。
光源の設定
光の方向を確認し、それに基づいて影の位置を決定していきます。
光源を設定する事で、描くモチーフの陰影表現が出来るようになるだけでなく、床面に投影される影も描く事が出来るようになるのです。
デッサンにおいては、モチーフと地面との関係性は大事な要素となりますし、光源の位置によってモチーフと床面の表情にも変化が生まれます。
これにより、光の当たり具合によって変化する影の濃さや形について知る事が出来るようにもなります。
トーンの描写
ハッチングやクロスハッチングの技法を使って、明暗のグラデーションを使ってデッサンをしていきます。
イメージとしては、初めは柔らかいトーンから描いていき、徐々に暗くしながら描いていきます。
陰影を付けることで、モチーフの立体感や奥行きを表現する事が出来るので、明暗のバランスを整えながら鉛筆で色を乗せていきます。
光が強く当たる部分は明るくなり、一方で影になる部分は濃くなるように調整をしながら描いていきましょう。
6. 質感の表現
陰影の描き込みを進めたら、次にモチーフの表面の質感を描写していきます。
例えば、木のざらざらした感じや金属の光沢感、布の柔らかさなど、質感を表現するための技法を使って描写していくといったイメージです。
必要に応じて、特に目立たせたい部分のディテール(細部)を強調して描く事で、リアルな質感表現をしていく事が出来ます。
デッサンにおいては、あくまでも絵を描く上でのものの見方や技法を学ぶ為の手段ではありますが、描き込みを進める事で作品としても遜色のないクオリティに仕上げる事も出来るようになります。
7. 仕上げと調整
仕上げの段階では、一度絵から離れて見る事でバランスや調和を確認し、必要に応じて修正を加えていきます。
この際に、線が濃すぎる部分や陰影が足りない部分を調整していきます。
最終的な仕上げとして全体のトーンを整えつつ、描き込みが足りていない箇所を描き込むなど、クオリティを上げていく作業を進めていきましょう。
8. 作品保護
最後の仕上げとして、鉛筆の黒鉛や木炭等をフィキサチーフというスプレー状の定着液を使って、画用紙に定着していく必要があります。
これにより、描いたデッサンを保存する際に、鉛筆の粉が落ちたり汚れたりするのを防ぐ事が出来るようになります。
まとめ
今回は、デッサンの一連の描き方の順番について解説をさせてもらいました。
デッサンは、観察力と技術を鍛える上で重要なプロセスでもあります。
特にデッサン初心者の方は、焦らずにステップごとに進め、各段階で学ぶことを大切にしてくださいね。
それでは、今回はこの辺で失礼します。
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