こんにちは。ペン画家の小笠原です。
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今回は、1時間で行うりんごのデッサンについて解説をさせてもらいました。
鉛筆デッサンにおいて、りんごは基本のモチーフとして扱われる事が多いですが、りんごをマスターする事によって様々なデッサンに応用していく事が出来ます。
りんごをマスターすれば、デッサンの基礎を身に付ける事にも通じるので、是非ともマスターしていきたいところですね。
特にデッサン初心者の方にとっては誰しも通る道と言えるかもしれません。
今回は1時間のデッサンとなりますが、りんご一つのモチーフのおおよその目安として、このくらいの時間で描けるようにしていきましょう。
それでは記事の最後までご覧頂けると幸いです。
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目次
制作動画(4倍速)
りんごの鉛筆デッサンの制作過程動画を載せておきます。
動画は4倍速ですので、お好みの速度で調整してご覧頂けると幸いです。
【YouTubeにアクセスします】
⇨https://www.youtube.com/watch?v=z_emXiJ5kq8&t=873s
りんごの鉛筆デッサン
制作時間:1時間
使用画材:B5画用紙、デッサン用鉛筆、練り消しゴム
この記事ではデッサン初心者の方にも分かりやすく解説をしておりますが、専門用語が一部含まれています。
デッサン用語に関しては以下の記事にまとめているので、コチラもご覧になってください。
⇒デッサン用語について
モチーフをよく観察する
まずはモチーフとなるりんごをしっかりと観察していきます。
この際に、なるべく様々な角度から観るようにしていく事で、より具体的にりんごをイメージする事が出来るようになります。
りんごはありふれたモチーフの一つではありますが、実際にデッサンをするとなると、実は意外と知らない事も多かったりします。
りんごの形態の規則性であったり、色のグラデーションなど、しっかりと観察をする事で見えてくる事もあるからですね。
実際に触ってみると表面はツルツルとしており、中には果肉が詰まっているような重みを感じられます。
表面の皮には、白っぽい点のような模様が無数にある事もまた、りんごの特徴であると言えるでしょう。また、匂いを嗅いでみるとほのかに甘酸っぱい香り感じる事も出来ますね。
このように、五感を使って得た情報を元に描いていく事で、デッサン力を養う事にも繋がってきますので、しっかりと観察を行うようにしてくださいね!
画用紙の中央にりんごを配置し、アタリを付ける
今回デッサンをするモチーフはりんご単体なので、画面の中央にりんごを描いていきます。
鉛筆デッサンをする上で、「アタリ」をつける作業から始めていきます。
この「アタリ」というのは、モチーフの輪郭を捉える為の目印のようなものと捉えておくと良いでしょう。
アタリを付ける際に使う鉛筆に関しては、2Bから3Bの柔らかめの鉛筆を使うと良いです。
その理由として、H系の硬い鉛筆を使ってしまうと、紙を痛めてしまう恐れがあるからですね。
また、最初の形をとる段階ですので、消しゴムで修正する事を踏まえた上で輪郭線のアタリをとっていくようにします。
自分が描きたい方向を決めて、大まかなアタリを付けていくと良いでしょう。
【補足ポイント】
アタリの線を描く際は、最初から正確に決める必要はありません。
薄い線で描き足していきながら、徐々に形を決めていくようなイメージで描く事で、少しずつ形を整えていくと形を捉えやすくなります。
りんごの形を決め、薄く輪郭線を描く
アタリをつけ終わったら、次にりんごの輪郭線を決めていきます。
下の図のように、柔らかめの鉛筆で薄く線を描くようなイメージで描きます。
ここで一つ気を付けておきたいことは、輪郭線はあくまでもモチーフの形を捉える事に留めておく必要があります。
その理由として、モチーフには基本的に輪郭線は存在しないからです。
実際に存在するモチーフにはイラストのように輪郭線はなく、陰影の濃淡のみとなっていますからね。
鉛筆デッサンにおいても、最終的に輪郭線はほとんどわからないくらいになってしまうので、この段階では出来る限り薄い線で描くようにします。
輪郭線を描く際の鉛筆は、2Bなどの柔らかめの鉛筆が望ましいですね。
少し離れて形の狂いが無いかを確認する
りんごの形が決まったら、絵をイーゼルなどに立て掛けて少し離れた位置から眺めてみます。
離れた場所から見る事で、形の歪みがないかをチェックします。
離れて見る事で全体像を見る事が出来ますし、わずかな形の狂いを見つける事も出来るでしょう。
(※目を薄めた状態で眺めてみる事で、形の違和感に気付く事もあるので、こちらも試してみてください。)
形の狂いがある状態で描き進めてしまうと、最後までいびつなままデッサンを進めてしまう事となってしまいます。
形を決める作業というのは、デッサンの一連の流れの中でも特に重要なパートでもあるので、しっかりと押さえておくようにしてください。
一般的には、大まかな輪郭線を描いたら、形の狂いが無いかを見るクセを付けておくと良いですね。
光の位置を決め、りんごの影を描く
光源がどの位置に設定されているかによって、絵の印象も変わってきます。
なので、それぞれの角度からしっかりと観察をし、どの角度でデッサンをしていくかを決めていきましょう。
今回のデッサンでは、斜め後ろに光源を設定(斜光)しました。
鉛筆デッサンの中でも、光源が遮光に設定されているのがデッサンしやすい構図でもありますね。
この斜光によって手前側にりんごの影が落ちていますが、光源の位置によって絵の印象も変わってきます。
一方で、光源が前に設定(前光)されていると、影はりんごの後ろ側に隠れてしまいます。
他にも、りんごの真後ろに光源が設定(逆光)されている場合、光が当たっている箇所が見えなくなり、モチーフ全体的が暗くなってしまいます。
このように、光の位置がやや極端な所にある事でデッサンしづらくなってしまうので、よほどの事でない限り、斜光でデッサンをするのがオススメです。
光の位置を決めたら、モチーフに光が当たる事で暗く影になった箇所を鉛筆で描いていきます。
デッサンは光と影を追いかける作業でもあるので、光源は特に意識しておくと良いですね。
【補足ポイント】
鉛筆で濃淡をつける際は、2B〜4Bの少し柔らかめの鉛筆を使います。
これ以上硬いH系の鉛筆を使ってしまうと、鉛筆の色があまり乗らなくなってしまうので注意が必要です。
全体的に色を乗せていく
モチーフの形を決めて光源の位置を決めたら、鉛筆で全体的に鉛筆の濃淡を乗せていきます。
鉛筆の濃淡を描く際はHB〜3Bくらいの濃さの鉛筆で描くのが望ましいです。
鉛筆デッサンをする際の具体的なイメージを持つ為にも、モノクロ写真で撮影してみると鉛筆デッサンのイメージがしやすいかもしれません。
【補足ポイント】
モノクロ写真を見る際は、陰影のバランスを見る事に留めておくようにし、なるべく実物を見ながらデッサンをするようにしましょう。
デッサンを習得する為にも、実物から得られる情報の方が多いです。
鉛筆の濃淡で立体感を表現していく
次に、りんごの立体感を表現する為に鉛筆の線で濃淡を重ねていきます。
この際に、ハイライト(光が最も当たっている場所)を残しつつ、暗く影になった箇所を中心に線を乗せていきます。
今回のりんごの場合、最も暗くなる箇所はりんごの手前となっています。
ここを重点的に暗くしつつ、ヘタの部分や床と設置している箇所も暗く描いていきます。
りんごの表情を観察して描く
鉛筆の濃淡によってりんごの明暗を描き足したら、今度は表面の質感の表現もしていきます。
皮のツルツルとした表現であったり、表面の白い斑点のようなものをプラスチック消しゴムで消すなど、実際に観察して描き足していきます。
そうする事で、よりリアルな表現となって描く事が出来るようにもなります。
デッサンにおいては質感の表現も大切な要素の一つですが、明暗を描いた上で質感の表現をしていく事が望ましいでしょう。
完成
以上でりんごのデッサンは完成となります。ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
今回は時間を1時間に設定しましたが、デッサンのおおよその目安として参考にして頂ければと思います。
また、今回の解説では段階的にまとめると以下のようなものとなっています。
時間の経過ごとに色を乗せていくイメージで描いていきましたが、徐々に鉛筆を重ねていくように描いていくように心がけています。
始めから一部分を暗く描きすぎてしまうと絵のバランスが取りづらくなってしまう為、徐々に段階を踏まえて線を重ねていくイメージです。
まとめ
今回は、りんごの鉛筆デッサンの一連の流れについて記事にまとめました。
これから鉛筆デッサンを始める上で、りんごというモチーフを描く事は必須であると言っても過言ではありません。
ですが、逆に言えばりんごは全てのデッサンの基本でもあるので、しっかりと押さえておきたい所ですね。
特に今回使ったハイユニの鉛筆は描き心地が滑らかなので、様々なデッサンのモチーフを描くのに適しています。
デッサン用鉛筆にお悩みでしたら、まずはこちらの鉛筆を一式揃えておく事をオススメします。
それでは最後までお読み頂き、ありがとうございました。
この記事が参考になりましたら幸いです。
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