こんにちは。画家の小笠原です。
普段の生活が単調になると、「マンネリ」という言葉を発してしまう事だと思います。
目新しい事がなく、退屈な日常が続いてしまうと、人は新鮮な情報や体験などを欲してしまう事でしょう。
ちなみに、この「マンネリ」という言葉というのは、実は美術用語であるという事をご存知だったでしょうか?
言葉の語源について調べてみると、意外なところと結びつきがあるので、興味を掻き立てられるものですね。
そこで今回は、そんな「マンネリ」という言葉の語源について、ご紹介をさせてもらいたいと思います。
マンネリとはどんな状態?
マンネリとは、日常生活が同じパターンで新鮮味を感じなくなり、「楽しくない」「面白くない」と感じたり、恋愛中のカップルでドキドキ感がなくなったり、仕事にやりがいを感じなくなったりする状態を指します。
例えば、現代においては以下のような状態のことを指します。
- 普通過ぎて退屈なこと
- 約束どおり
- 同じことの繰り返し
- 日々の習慣
- 単調な仕事
- 同じ手順に従う
- 相変わらず
このように、マンネリという言葉は少し否定的な印象の言葉に置き換えることができます。
ですが、元々は現代で使われている意味とは少々異なっており、それについて紹介していきたいと思います。
「マンネリ」という言葉の由来について
「マンネリ」という言葉の由来は、イタリア語の「マニエリスム(mannerism)」という芸術様式にあります。
これは、同じ画家や工房の作品で繰り返し使われる彫刻技法や絵画の表現技法を指します。
さらに、「マニエラ(maniera)」という言葉は、15世紀の文学作品に既に登場しており、最初は芸術家の洗練された技術やスタイルを表す肯定的な言葉であったようです。
しかし、17~18世紀には、バロック時代に入り、「マニエラ」とは対照的な意味として「マニエリスム」という言葉が登場しました。
この時期から、「ルネッサンス期の偉大な画家であるレオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロなどの3大巨匠のスタイルを模倣した」という否定的な意味が含まれるようになったのです。
マニエリスムの絵画の特徴
マニエリスムの絵画作品には、次のような特徴がかなり頻繁に見られます。
- 光や影の強調による表現の強調
- ねじれた空間や不自然なポーズの使用
- 過度なドレープの使用
- 自然さを超えた色彩の誇張
その結果、複雑な構図が形作られ、不自然な螺旋状のねじれ、見る者を驚かせつつも優雅に見える人体の奇妙な引き伸ばし、強烈に不自然で人工的な色彩、そして時には遠近法の歪みを伴い、風変わりで奇抜な主題が選ばれるようになりました。
これにより、独創的でありながらもグロテスクな空想の絵として感じさせるようになったのです。
このような芸術家への評価が、特にミケランジェロの手法を繰り返すだけの単調な表現だと過小評価されるようになりました。
(偉大すぎる芸術家の存在というのは、後世の芸術家にとって高すぎるハードルとなってしまうものです。。)
ルネッサンスに活動していた偉大な画家のスタイルを模倣した事による評価は低くなり、そのため、「マニエリスム」という言葉は、
・オリジナリティのない
・創造性を失った
・新鮮味に欠ける
という否定的な意味で使用されるようになりました(20世紀に入ってから再評価され始めましたが)。
当時の芸術家らの苦労は計り知れませんが、マニエリスムの時代に生まれた作品の数々というのは、一つの様式を築き上げたものとなりました。
今日では、このようにして「マンネリ」や「マンネリズム」という言葉は、恋愛などでも、「ワンパターンで驚きがなく、ドキドキしない」つまらない状態を表すネガティブな言葉となっています。
まとめ
今回は「マンネリ」という言葉の語源についてご紹介をさせてもらいました。
言葉の語源を調べてみると、意外な事実に辿り着く事もあるので、その度に新たな発見をさせられるものですね。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました^_^
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