今回は、ミリペンを使った
サザエ貝の制作過程を
順番に解説する内容となっています。
サザエ貝はゴツゴツとした
硬い殻と突起した角のようなものが
特徴としてあります。
初心者の方にとっては
描き応えのあるモチーフですが、
腕試しの一環として
試して見るのもおすすめです。
特に中級者以上であれば
描き応えもあるので、
描いていて楽しいモチーフでも
あると思います。
準備するもの
- 鉛筆(HB〜2B)
- 消しゴム
- ミリペン
- A5画用紙
※鉛筆と消しゴムに関しては
デッサン用のステッドラー鉛筆と
練り消しを使って制作をしましたが、
今回のメインではないので
ご自身が使いやすいもので構いません。
サザエ貝の特徴の理解と観察をする

サザエ貝を描き始める前に、
まずは全体の形と
表面の特徴をよく観察します。
サザエ貝は単純な円すい形ではなく、
殻の中心を軸にしながら、
らせん状に巻き込む構造をしています。
なので最初から細かな
凹凸を追うのではなく、
殻全体を大きな立体として
捉えることから始めます。
その次に殻の向きや傾き、
横幅と高さの比率、
開口部の大きさを確認しながら、
全体のシルエットを把握していきます。
殻の表面には
硬く盛り上がった筋や突起があり、
場所によって形や間隔が異なります。
これらを同じ形で
規則的に描いてしまうと、
人工物のような印象になりやすいため、
一つひとつの向きや
大きさの違いを観察していきましょう。
また、突起や溝は殻の曲面に沿って
配置されています。
表面の模様として
平面的に捉えるのではなく、
殻の丸みに沿って
回り込んでいることを意識すると、
立体感を表現しやすくなります。
光が当たる部分では紙の白を残し、
溝や突起の根元、
殻の内部などには濃い影ができます。
明るい部分と暗い部分の位置を
あらかじめ確認しておくと、
ペンで描き込む際に黒く
しすぎるのを防げます。
サザエ貝の硬さや
重量感を表現するためにも、
細部を見る前に、
全体の構造と大きな明暗を
観察しておきましょう。
今回使用したミリペンと画用紙
PIGMA 0.05mm
今回の制作では、
サクラクレパスの
PIGMAの0.05mmを
使用しました。


ペンの太さは途中で変更せず、
下描きの輪郭から
細部の描き込みまで、
0.05mmのミリペン一本で
仕上げています。
0.05mmは非常に細い線を描けるため、
サザエ貝の細かな凹凸や、
殻の表面にある複雑な質感を
表現しやすい太さです。
【購入はこちらから】
さらに細い0.03mmもありますが、
耐久性という面では
0.05mmの方が体感的に長持ちするので
こちらがおすすめです。
一方で、線が細い分だけ
広い暗部を埋める際には、
多くの線を重ねる必要があります。
暗い箇所を一度に
黒く塗りつぶすのではなく、
細い線を少しずつ重ねながら、
段階的に明暗を濃くしていきました。
一本のペンだけでも、
線の間隔や重なり、
筆圧を変えることで、
明るい部分から暗い部分まで
表現することができます。
ミューズ ザ・スケッチ A5
画用紙に関しては、
ミューズのザ・スケッチの
A5サイズを使用しています。


ペン画の場合、
ペン先に紙の繊維が
巻き込まれないように
なるべく表面が滑らかな
紙がおすすめです。
紙の表面の粗さはこんな感じです。

個人的には
ミューズ ザ・スケッチA5サイズを
愛用しているので、
小作品を手がける際にも
おすすめです。
【購入はこちらから】
手軽に持ち運びができるサイズなので、
スケッチブックとしても重宝するので、
ストックして複数冊買ってあると
便利です。
使用する際は、紙を一枚剥がして
養生テープで板に貼り付けて
描いています。
厚めの辞典などを台にして
台に傾斜をつけることで、
形の狂いがなく描きやすくなります。
【ペン画】サザエ貝の制作過程
ここからは、
ペン画での製作過程について
実践形式で下描きから順に
解説をしていきます。
鉛筆で下描きをする

まずは鉛筆でサザエ貝の下描きを
描いていきます。
HB〜2Bくらいの
柔らかめの鉛筆を使って
形をとっていきます。
これ以上濃い鉛筆だと、
ペン入れをした際に
手で紙を擦ってしまい
汚れてしまう恐れがあるので、
このくらいの濃さがおすすめです。
反面、これ以上固い鉛筆だと、
消しゴムでの修正をする際に
鉛筆の跡がついてしまうので、
注意が必要です。

鉛筆での下描きをする際は、
細部の凹凸ではなく
全体の輪郭を大まかに把握しながら
短めの線を繋げながら
形をとっていきます。
消しゴムを使って
修正をしながらで構わないので、
多少形が歪んでも
修正をしながら形を
とっていきましょう。
下絵の段階では
きっちりと線を決める必要はありません。
ペン入れの際に線を決めるため、
現段階では多少緩くても構わないです。

この段階では、
不要な線を消しながら
形を整えていくといった意識で
下絵を描いていく認識で大丈夫です。
明暗を軽く付ける

下絵の輪郭線を描いたら、
次にサザエ貝の明暗を
軽くつけていきます。
明暗をとることによって、
サザエ貝のモチーフとしての
特徴や形状がリアルになるためです。
この明暗が後にペン入れをした際の
ガイドとなるので、
手で擦って紙が汚れない程度に
明暗を入れていくのが良いです。
ここでのポイントとしては、
鉛筆デッサンのように
鉛筆でしっかりと明暗を
とらないことです。
今回のペン画の下絵となるので、
最終的には鉛筆で描いた線は
消すことになります。
そのためにも、
あまり力をいれずに
薄いタッチで軽く明暗を
つけていくようにしておきましょう。
線で輪郭を描写する

次の段階では、
いよいよペン入れの段階に
入ります。
ここからは鉛筆の下絵と比べると
緊張感を持って
取り組む必要が出てきますが、
あまり力みすぎないようにしながら
描いていきましょう!
ペン入れをする際は、
このように先に輪郭を
線で描写していく方が
後々描きやすくなります。
力を入れながら輪郭線で描いていくと、
後々ペン入れを進めていった際に
違和感が生じてきてしまいます。
なので輪郭線を描く際は、
短い線を繋げて描くような意識で
筆圧を弱めにして
線を描いていきます。
この線画を描くことで、
完成までのガイドとしても
機能するようになるので、
輪郭線を描くことは
初心者の方にもおすすめです。
暗い箇所から明暗を描いていく

ペンで輪郭線を描いたら、
次はペンでの明暗を
描いていきましょう。
ペン入れのやりやすい方法としては、
暗い箇所から手を入れていく方が
おすすめです。
明るい箇所から描いてしまうと
そこが明暗の基準となってしまうため、
最終的に引っ張られて
画面全体が黒くなってしまう
恐れがあるからです。
また、ペン画の場合
一度描いてしまった箇所は
消しゴムで消すことが困難なので、
白い箇所は大事に描いていく必要があります。
この画面内での白い箇所は、
- 余白の白
- 床面の白
- 貝殻内部の白
このあたりですね。
余白以外は後々描き込んでいきますが、
この段階では残しておくようにします。

暗い箇所から徐々に
描き込みを進めていき、
上の方も描き進めていきます。
立体感を意識して描いていくためにも、
線のタッチを意識しながら
描いていきます。
ここでのタッチというのは、
主にハッチングを使った
描き方となります。
⇨ ハッチングの技法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
短い線を重ねていきながら、
描き進めていきます。
ここで鉛筆の下描きをした際にとった
明暗が活きてきます。
下描きの段階で軽くでも
明暗がとれていないと、
ペン入れで描くと同時に
明暗も考えながら
描いていかなければ
ならなくなるためです。
ハッチングと明暗の両方をとりながら
描写していくのは
上級者でも難しいので、
後々描きやすくするためにも
鉛筆での明暗はとっておいた方が
楽になります。

あとはまだ手が入っていない
箇所を埋めていくように
描いていきます。
描き込みを進めていく際は、
線の流れを意識しつつ
描いていくと立体感が出やすいです。
特に面が切り替わる
稜線を意識しながら
描き進めていくことで、
立体感を出しやすくなります。
質感を意識しながら描き足していく

明暗を意識しつつ描き進めていったら、
同時進行で質感も意識して
描き進めていきます。
ここではやることが多いですが、
下描きの段階でとった明暗が
ここまで活きています。
サザエ貝のゴツゴツとした
岩肌のような質感であったり、
螺旋状に構成されている
貝の構造などを意識しながら
描いていきます。
螺旋に沿って突起している角も
サザエ貝を描く上での
大きなポイントとなります。
この際に、サザエ貝の重さも
意識した上で描き進めていくと
よりリアル感が増します。
白を意識しながら殻の内部を描いていく

さて、次に
サザエ貝の内部を描いていきましょう。
先ほどまで残しておいた箇所ですが、
ここからは筆圧を弱めていきながら
線を描き足していきます。
白い箇所をペンで描いていくのは
実は結構大変だったりします。
先ほども言ったように、
ペン画というのは
修正がしづらいですし、
特にモノクロ描写をする場合
白は紙の白を活かすくらいしか
できませんからね。
ここで白を描く際のポイントとしては、
なるべく質感を描こうと
するのではなくて、
薄く明暗を描くことに
留めておくことです。
質感を意識して描写をしてしまうと、
色が自ずと濃くなってしまうため、
この辺りは割り切りが
必要になってきます。
他にも、別の箇所をより暗く描くことで
相対的に白く見せる
という手法もありますが、
今回は内部を描き込んだ後に
他の箇所の明度を少しだけ
落としていきます。

サザエの内部の明暗も描き込みました。
奥に進むにつれて陰が暗くなるので、
このグラデーションを意識しながら
描き進めていきます。
この段階で外部と内部のトーンが
近くなってしまったので、
少しだけ外部のトーンを落としてあげます。
そうすることで、
全体的な明暗バランスを保ちつつ
内部の白のトーンも
わかりやすく描くことになります。
細部の描き込みを進めていく

ここから先は微調整の
段階になってきます。
全体的に手が入ってしまうと、
均一な描写となってしまいがちなため、
絵としての見せ場が
ややボヤけてしまいます。
特に外側のゴツゴツとした殻の表情は
描いている最中は熱中してしまいますが、
最終的に一枚の絵として見ると
全体的にメリハリがなくなって
しまいがちです。
もちろん、質感の描写をするために
外側のゴツゴツ感を描くことは
大切ではありますが、
少し調整してあげるだけでも
絵としてのまとまり感が
出せるようになります。
この段階では描き込みというよりも
絵を整えていく段階となっているので、
描き込みをし過ぎずに
まとめていくといった意識で
繊細に描き込みをしていきましょう。
鉛筆の下描きを消すタイミング
ペン入れが終わった後は、
鉛筆で描いた下描きの線を
消していきます。
この際に注意したいのが、
ミリペンのインクが完全に乾いてから
消しゴムをかけることです。
インクが乾き切っていない
状態で紙を擦ると、
描いた線がにじんだり、
紙の表面が汚れたりすることが
あるからですね。
ペン入れが終わってもすぐには消さず、
しばらく時間を置いてから
消しゴムを使うようにしましょう。
消しゴムをかける際は、
強い力で一気に擦るのではなく、
紙を傷めないように
少しずつ下描きを消していきます。
鉛筆の線を消すと、
ペンで描いた線と紙の白が
はっきりと見えるようになり、
全体の明暗や描き込みの不足も
確認しやすくなります。
下描きを消した後に改めて全体を見直し、
必要な箇所だけペンで描き足していくと、
仕上がりを整えやすくなります。
メリハリをつけたら完成

最終的に整えたら完成です。
今回は特徴のあるサザエ貝をモチーフに
ペン画を描いてきました。
特にゴツゴツとした質感と
角が生えていることによって
描き応えのあるモチーフでも
あったと思います。
このような硬いモチーフは
ペン画とも相性が良いので、
実際に描いてみることで
作品の幅も広がります。
また他にも、動物の毛並みや
植物の葉っぱや花などの柔らかい素材も
描ける技法なので、
今後も様々なモチーフに
挑戦してみてはいかがでしょうか?
こちらのページでは、
モチーフの実演動画に加え、
ペン画の基本技法や画材など
総合的にまとめています。
興味がありましたら
こちらもご覧になってください。
サザエ貝をペンで描く際の注意点
サザエ貝をペンで描く際は
制作過程でも言いましたが、
最初から細部を
描き込みすぎないことが大切です。
サザエ貝には多くの
突起や溝がありますが、
細かな形ばかりに
意識が向いてしまうと、
殻全体の形や立体感が
崩れやすくなります。
なのでまずは大きな輪郭や
らせん状の構造を捉え、
その後に表面の凹凸を
描き加えていきましょう。
また、明るい部分を
早い段階で描き込みすぎないことも
重要です。
ペン画では、
一度黒くした箇所を
紙の白に戻すことが難しいため、
貝殻の内部や光が当たっている部分は
慎重に描く必要があります。
白く見せたい箇所はすぐに線を加えず、
周囲の暗部とのバランスを見ながら
少しずつ描き進めていきます。
これはサザエ貝以外にも言えることですが、
全体を均一に描き込みすぎることにも
注意が必要です。
すべての箇所を同じ濃さや
密度で描いてしまうと、
どこを見せたい絵なのかが
分かりにくくなるからですね。
ペン画は暗く描く箇所、
細かく描き込む箇所、
あえて白く残す箇所を分けることで、
画面にメリハリが生まれます。
描いている途中で
何度か作品から距離を取り、
全体の明暗や形のバランスを
確認しながら進めていきましょう。
制作時間と難易度
今回のサザエ貝のペン画は、
制作中の動画撮影を含めて
およそ4〜5時間ほどかけて描きました。
サザエ貝は表面の凹凸が多く、
らせん状の構造や硬い質感も
意識する必要があるため、
初心者の方にとっては
少し描き応えのあるモチーフです。
最初から完成度の高い
描写を目指すのではなく、
まずは全体の形を捉え、
明暗を大きく分けることから
始めてみてくださいね。
一度にすべてを描き切ろうとせず、
下描き、輪郭、暗部、質感というように
工程を分けて進めることで、
複雑なモチーフでも描きやすくなります。
まとめ
今回はペン画で描く
サザエ貝についての
制作過程を記事にまとめました。
サザエは鉛筆デッサン的にも
描き応えのあるモチーフでもあるので、
是非とも一度はチャレンジして
もらいたいモチーフの1つでもあります。
硬いモチーフ、柔らかいモチーフ
それぞれを描けるようになることで、
あなた自身のペン画での
作風の幅を広げることができます。
今回の記事が是非とも参考になれば
幸いです。
また、メルマガ登録をしてくれた方に、
特別に無料プレゼントを行っています。
登録後、ペン画の技法解説書の
電子書籍を受け取ることができます。
他にも、合計10回の
無料のメール講座も行っているので、
もし興味がありましたら、
この機会にご登録いただけると
嬉しいです。
下のリンクから
メルマガ登録特典を
受け取ることができます。






























