こんにちは。ペン画家の小笠原です。
ルネサンス期を代表する画家の一人としてジョットの名前が挙げられます。
ジョットは「ルネサンスの父」と呼ばれ、フィレンツェ派の代表として活躍をした人物でもあります。
彼はこれまでの宗教画を人々により身近な存在となるよう、様々な工夫を施して歴史に名を残すこととなりました。
それでは、
「ジョットはどのような点で功績を残したのか?」
今回はそんなジョットの功績や作風を通して紹介していきたいと思います。
ジョットとはどんな人物?
ジョット・ディ・ボンドーネは中世後期のイタリアの芸術家であり、建築家でもありました。
日本や他の国では、単に「ジョット(ジオット)」と呼ばれることがよくあります。
彼はフィレンツェ共和国(今日のイタリア・トスカーナ州周辺)の首都、フィレンツェ近くで生まれたと言われています。
彼の絵画スタイルは後期ゴシックに属し、イタリア・ルネサンスの先駆者と見なされています。
フィレンツェを代表する画家
同時代の画家であるジョヴァンニ・ヴィッラーニは、ジョットを「この時代における最も偉大な巨匠の一人」と評しています。
彼の描く人物やポーズは非常に自然に見えます。
ジョットはその才能と優れた技術によって、フィレンツェの主要な画家として認められました。
立体的な空間表現と人物の感情を表現
ジョットは生前から巨匠としての名声を築き、16世紀後半の画家で伝記作家のジョルジョ・ヴァザーリは、「ジョットはビザンティン美術に革命をもたらし、現実的で素晴らしい絵画を生み出しました。彼は200年以上も忘れ去られた絵画技術を復活させました」と絶賛しています。
彼の絵画は、ビザンティン様式から現実的で立体的な空間表現や自然な人物の感情表現を導入しました。
ジョットの画風
イタリア・ルネサンスの時代、ジョットが活動していた頃、絵画は主に宗教的なテーマを扱っており、文字が読めない人々に宗教の教えを伝える手段として利用されていました。
しかし、ジョットが登場する前の宗教絵画は、典型的な構図と象徴的な表現が主で、神秘的な雰囲気を持ち、一般の人々には理解しにくい内容が多かったのです。
このような背景の中、ジョットはより理解しやすいアプローチを採用しました。
そこで彼は日常生活で見られる仕草や表情を取り入れ、描かれた人物たちに自然な感情を表現することで、観る者に親しみやすい作品を創出しました。
加えて、遠近法を駆使して作品に深みを加え、より現実感のある風景を描くことに成功したのです。
これにより、宗教画はただの教義の伝達手段から、観る者に直接訴えかける芸術作品へと変わり、その意味内容もより容易に理解できるものとなりました。
その後、100年の時を経てルネサンスを代表する建築家ブルネレスキによって、より自然な形で見える形で遠近法が確立されることとなったのです。
ジョットの代表作
ジョットの代表作の一つは1305年に完成したパドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂のフレスコ画です。
これは聖母マリアとイエス・キリストの生涯を描いたものであり、初期ルネサンス絵画の最高傑作とされています。
ジョットは1334年に、フィレンツェからサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に新しく建てられる鐘楼のデザインを担当しました。
しかし、彼に関する他の記録はほとんどありません。
生年月日や出生地、死没地、風貌、弟子時代、作品の依頼主などについては議論があります。
また、アッシジのサン・フランチェスコ大聖堂のフレスコ画が本当にジョットの作品なのかについても論争があります。
まとめ
今回はルネサンスを代表する画家ジョットについて解説をさせてもらいました。
ジョットは宗教画を身近な存在にする為に、絵の登場人物の感情表現空間的な遠近法を取り入れる事で、作品として昇華させました。
それゆえ、今日においては「ルネサンスの父」と呼ばれるに至りました。
その後、ブルネレスキへと遠近法が受け継げられて完成を果たし、現代においても絵画制作における技法として受け継がれてきました。
それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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