ペン画は、初心者でも
最短で作品が描けるシンプルな画法です。
必要な道具は少なく、
今日からでも始めることができます。
この記事では、
ペン画の始め方から
基本技法・上達方法までを
体系的に解説します。
ペン画の世界を知る
きっかけとなれば幸いです!
目次
ペン画とは何か?歴史と特徴を理解する

まず初めに、
ペン画の基本を知りたい方に向けて、
定義・歴史・特徴をまとめて
解説していきます。
初心者でも理解できるように、
他の画法との違いも整理していくので、
それぞれの画法との
違いについても理解しつつ
見ていきましょう。
ペン画の定義と概要
ペン画についてザックリと言ってしまうと、
ペン画はペンとインクを使って
紙などの支持体に描く
絵画・イラストの技法のことを
言います。
ポイントとしては、
鉛筆やブラシではなく
「ペン先」を用いることが
最大の特徴であり、
線の強弱・密度・方向によって
明暗・質感・奥行きを表現します。
デジタルツールが普及した現代でも、
ペン画は手描きの温かみと
再現不能な作品として
- アート作品
- イラスト
- 建築スケッチ・マンガ
- タトゥーデザイン
などの幅広い分野で現役の技法として
使われています。
「ペン画」と一口に言っても、
使うペンの種類・スタイル・目的によって
表現の幅は非常に広く、
万人が同じ定義で
使っているわけではありません。
しかし共通点は
「ペン先で引いた線が表現の主体である」
という点です。
ペン画の歴史:ルネサンスから現代まで
次に、ペン画の歴史について
触れていきたいと思います。
ペン画の歴史は古く、
ルネサンス期のヨーロッパまで遡ります。
レオナルド・ダ・ヴィンチや
ミケランジェロ・ブオナローティ
といった巨匠たちも
羽根ペン(クイルペン)を用いて
スケッチや素描を制作していました。
とはいえ、当時のペン画は主に絵画の
「下絵・習作」として機能していたため、
表立った技法としての確立までは
至っていませんでした。
17〜18世紀に差し掛かると、
版画技術の発展とともに
ペン画もより精緻な表現を
求めるようになります。
特に銅版画やエングレービングの
影響を受けたクロスハッチング技法が普及し、
光と影の精密な再現が可能になりました。
【補足】
エングレービングとは
版画の凹凸技法の一つで、
金属やガラスなどの表面に
直接精密な線の溝を彫るといった
彫刻技法です。
さらに時代が進み、
19世紀末から20世紀にかけては
オーブリー・ビアズリーのような画家が
ペン画を独立した芸術表現として
確立していきます。
現代では、山下清や池田学といった
著名な画家たちを筆頭に
ペン画の世界に広がりを見せています。
ペン画が他の画法と異なる点
ペン画の最大の特徴はなんと言っても
「消せないこと」
です。
鉛筆画は修正が容易ですが、
一方でペン(特にインクを使う場合)の場合
基本的に描いた線を消すことができません。
一度描いてしまった線を修正、
あるいは消すことができないということは
ミスが許されないプレッシャーと
人によってはストレスを感じる方も
いるかもしれません。
ですが、これは制約であると同時に、
描き手に集中力と判断力を
鍛える訓練になりえると言えます。
また、ペン画は
モノクロ(黒一色)でも
完成度の高い作風に仕上がる
技法である点も大きな特徴です。
色彩の知識がなくても、
線の太さ・密度・方向だけで
豊かな表現が可能となります。
ただし近年は、
カラーインクや水性ペンを組み合わせた
カラーペン画も広く普及しています。
僕自身、丸ペンとカラーインクを使って
ペン画のカラー作品を手がけているので、
「ペン画=モノクロ」
である必要性は無かったりします。
加えてペン画は、
道具が最小限で済む点も重要です。
紙・ペン・インクさえあれば
制作環境が整うため、
外出先でのスケッチや
旅行中の制作にも向いています。
ペン画はコストが低く、
始めやすい画法として
初心者にもおすすめできる理由の
一つでもありますね。
ペン画に必要な道具を選ぶ

ここでは、ペン画を始めるために
必要な道具について
用途別にわかりやすく解説します。
初心者が失敗しない選び方を
具体的に紹介していきます。
初心者の方は、
まず以下の3点を揃えれば
問題ありません。
- ミリペン(0.1mm・0.3mm・0.5mm)
- コピー用紙
- 鉛筆と消しゴム
このセットで、
ペン画の基本練習から
作品制作まで対応できます。
迷った場合はPIGMAか
ステッドラーを選んでおけば
失敗はありません。
ペンの種類と特徴:何を買えばいいか
ペン画に使用するペンは大きく分けて
- つけペン
- 万年筆
- ミリペン(ドローイングペン)
- ボールペン
- ゲルインクペン
この5種類があります。
それぞれに適した用途があるため、
目的に合わせて選ぶことが重要です。
つけペン
ペン軸にペン先(ニブ)を
装着してインク瓶に浸けながら
描くタイプです。
主に漫画家が使っている
イメージがありますが、
僕を含め絵画制作においても
使用されているペンでもあります。
ニブの種類が豊富で、
筆圧によって線幅が大きく変化するため、
表現の幅が最も広いペンです。
ただし、インクの補充が
その都度必要であるため、
扱えるようになるまでに
やや慣れが必要だったりもします。
ペン画初心者には
「Gペン」「丸ペン」が
入門として最適です。
ミリペン(ドローイングペン)
線幅が均一で管理しやすく、
初心者に特におすすめです。
僕自身、初めてペン画の制作をした際は
このミリペンで描く事から始めました。
ミリペンは通常のボールペンなどと同様に
キャップを取り外すだけで
使えるので非常に便利です。
ミリペンの中で有名なメーカーは
- PIGMA
- コピックマルチライナー
- ステッドラー
- ファインライナー
などのブランドが挙げられます。
0.05mm〜0.8mmまでの太さがあり、
それら一通り揃えることで
さらに表現の幅を広げることに
広がります。
またインク補充不要で携帯性も高く、
手軽にペン画を始めたい方にも
向いています。
ボールペン・ゲルインクペン
ボールペンは最も身近で
日常生活でも馴染みのあるペンです。
サインペンやゲルインクペン
(uni-ball signo、ZEBRAサラサなど)
でもペン画は十分に描けます。
入手しやすく価格も安いため、
「まず試してみたい」という段階では
積極的に活用してみるのも良いです。
また、カラーバリエーションが豊富なので、
モノクロに留まらず
カラー作品を手がける際も
おすすめです。
それぞれのペンの詳しい使い方などは
以下の記事を参考にしてください。
紙の選び方:ペンの特性に合わせる
ペン画に使う紙は、
ペンの種類によって
最適なものが変わります。
基本的には
インクの滲みが少なく、
ペン先が引っかからない表面
この特徴を持つ紙が適しています。
紙に凹凸があると、
ペン先に紙の繊維が巻き込まれるため
詰まって描きづらくなってしまいます。
ペン先は繊細なので、
その点を踏まえた上で
相性の良い紙を選ぶようにしましょう。
コピー用紙(上質紙)
コピー用紙は最も手軽で、
ミリペンやボールペンとの相性も
良いです。
鉛筆デッサンと異なり、
先ほど言ったようにペン画は
紙の凹凸があるほど向いていないので、
コピー用紙は適している紙でもあります。
練習用として使うのであれば、
十分な品質があります。
ただし普通紙の場合薄いため、
裏写りには注意が必要です。
水彩紙・イラストボード
水彩紙・イラストボードは
インクの定着が良く、
つけペンとの相性が優れています。
実際に制作事には
木製パネルに水張りをした水彩紙や
イラストボードに直接描くといった
方法が使いやすいです。
双方とも厚みがあるため
インクが滲みにくく、
細密なペン画や後から水彩を重ねる
「ペン+水彩」技法にも対応できます。
水張りをする際は手間がかかりますが、
イラストボードであれば
購入後そのまま制作に
取り掛かることができるので、
時間的にも労力的にも
楽に制作が可能となります。
ケント紙
ケント紙は、表面が平滑で
インクの乗りが良い紙です。
ペン先の引っかかりが少なく、
均一な線を安定して引けるため、
漫画・イラスト・建築パース用途では
定番の画用紙となります。
紙選びに迷った際は、
ケント紙があれば問題ありませんし、
初心者から経験者の方まで
幅広い層で使われています。
インクの種類と選び方
インクには
「染料インク」
「顔料インク」
この2種類があります。
染料インクは発色が
色鮮やかですが耐水性が低く、
後から水彩を重ねると滲みます。
ただし、時間経過とともに
色彩が褪せてしまうため、
一点ものの作品を手がける際には
どうしてもデメリットの面が
見受けられます。
一方で顔料インクは耐水性が高く、
色重ねにも対応できるため、
ペン画では顔料インクが基本です。
定番ブランドは
- ドクターマーチン
- DALER ROWNEY
- パイロット製図用インク
- ウィンザー&ニュートン インディアインク
- ホルベイン製図用インク
などです。
色の鮮やかさで言えば
「ドクターマーチン製」
色のバリエーションと使い勝手で言えば
「DALER ROWNEY製」
これらのインクを使うのがおすすめです。
なお、つけペンを使う場合は
顔料系インクを選ぶようにすると良いです。
染料インクと同等の発色を持ちながら
耐久性にも優れているので
顔料インクをおすすめします。
ミリペンはインク内蔵型のため選択不要です。
ペン画で使うインクについては
以下の記事が参考になります。
ペン画の基本技法をマスターする

ここでは、ペン画で必須となる基本技法を
練習方法とあわせて解説します。
これにより、線だけで
表現力を高めるコツを
習得できるようになります。
ハッチングとクロスハッチング
ハッチングとは、
平行な線を並べることで
明暗・グラデーションを
表現する技法です。
線を密に並べると暗く、
疎に並べると明るく見えます。
一方でクロスハッチングは、
ハッチングの上に
別方向の線を重ねることで、
さらに深い影や質感を表現できます。
ハッチングはペン画の根幹技法であり、
これを習得するだけで
表現の質が大幅に向上します。
実践しやすい練習方法は、
グラデーションのキューブ(立方体)を
ハッチングのみで描くことです。
まずは輪郭を引き、
各面の明るさに応じて
線密度を変えながら塗り分けていきます。
1日10分の練習を2週間ほど続けることで、
線のコントロールができているかどうか
目に見えて向上します。
ハッチングの方向は、
対象物の形状に沿わせた線を引くことで
自然に見えます。
球体であれば球面の曲線に沿った線を、
平面であれば一方向の平行線を
使うのが基本です。
野菜や植物であれば
表面に沿った線を引き、
動物であれば毛並みに沿った
線を使っていきます。
ハッチング、クロスハッチングに関しては
以下のそれぞれの記事を参考にしてください。
点描(Stippling)
点描は、点を打ち重ね、
点の密度や筆圧の濃淡で
明暗・テクスチャーを表現する技法です。
点が密集した部分が暗く、
点が少ない部分が明るく見えます。
Stippling(スティップリング)は
非常に根気が必要な技法ですが、
完成した作品の質感は
他の技法にない独特の粒状感・重厚感
があります。
特に岩・皮膚・植物の表面など、
ザラついたテクスチャーの表現に
優れています。
イメージとしてはペンで描く
砂絵のようなものです。
初心者がスティップリングを練習する際は、
まず小さな円形(コインサイズ)の
グラデーションを描くことから
始めていくと良いです。
中心から外側に向かって
点の密度を下げていくと、
自然な球体感が生まれます。
点描画の描き方については
以下の記事で詳しく解説をしています。
コンターライン(輪郭線)の活用
コンターラインとは、
対象の輪郭を一本の連続した
線で描く技法です。
途中で線を止めずに描き続けることが基本で、
観察力と手の協調性を鍛える
トレーニングとしても優れています。
「ブラインドコンター」
と呼ばれる練習法では、
対象を見ながら紙は見ずに描きます。
完成した線は歪んでいることが多いですが、
観察する習慣と手の感覚を養う上で
非常に効果的です。
ペン画においてコンターラインは、
ハッチングやスティップリングと
組み合わせて使うことが多く、
まず輪郭を引いてから
内部に質感・明暗を加えるという
手順が一般的です。
テクスチャー表現の具体例
ペン画では、
対象の素材感(テクスチャー)を
線・点・形の組み合わせで表現します。
たとえば木の幹は不規則な縦線、
水面は短い波線の重なり、
毛皮は方向をそろえた流線、
金属面はクロスハッチングによる
光沢表現が基本パターンです。
テクスチャー表現は
技法の組み合わせが重要です。
単一の技法だけで描くと
単調になりがちなので、
ハッチング+スティップリング、
コンターライン+クロスハッチングなど
複数を組み合わせることで、
複雑な質感を生み出せます。
素材ごとのテクスチャーパターンを
事前にノートにメモしておく習慣をつけると、
本番の制作スピードが上がるので
おすすめです。
ペン画における細密画(ミクロ表現)の技法
ペン画における細密画とは、
極めて細かい線や点を重ねることで、
対象の質感や情報量を極限まで
高める表現技法です。
細密画は一般的なペン画と比較して、
線の密度・精度・観察力のすべてが
より高いレベルで求められます。
細密画の最大の特徴は、
肉眼で見た以上の情報量を
描き出す点にあります。
たとえば
- 動物の毛並み
- 樹木の表皮
- 岩肌の凹凸
- 建築物の細部構造
こうした要素を、
一本一本の線や点で
丁寧に積み重ねることで、
リアリティと圧倒的な
没入感を生み出します。
細密画を描く際に重要なのは、
「一度に完成させようとしない」
ということです。
最初に全体の構造と明暗を軽く押さえ、
その上に少しずつ情報を
積層していきます。
具体的な手順としては
- コンターラインで全体の輪郭を取る
- ハッチングで大まかな明暗を配置する
- 必要な箇所にスティップリングを加える
- 最後に細部の線を描き込み密度を上げる
この順序を守ることで、
破綻のない細密表現が可能になります。
また、細密画では
「描き込みすぎない判断」も重要です。
すべてを同じ密度で描くと、
視線の逃げ場がなくなり
かえって見づらい作品になります。
フォーカルポイントを中心に密度を高め、
周辺はあえて情報量を抑えることで、
作品全体のバランスが整います。
細密画は時間と集中力を
必要とする技法ですが、
その分だけ完成した
作品の完成度と説得力は
他の表現を大きく上回ります。
ペン画の表現力を
一段階引き上げたい場合は、
ぜひ取り入れておきたい重要な技法です。
細密画に関しては
以下の記事を参考にしてください。
ペン画の構図と光源設定

作品の完成度を高める構図と
光の考え方を解説します。
初心者でも立体感のある絵を
描ける基礎を身につけます。
構図の基本:三分割法とフォーカルポイント
ペン画の構図は、
絵画全般で通用する
「三分割法」
が基本です。
画面を縦横に3等分した交点(4箇所)
のいずれかにメインの被写体を
配置することで、
バランスが取れやすい
自然な構図になります。
また、フォーカルポイント
(視線が集まる中心点)を
意識することも重要です。
ペン画では、このフォーカルポイントに
最も細密な描き込みを行い、
周辺部は線を簡略化することで、
自然に視線誘導ができます。
精密に描くほど重要な部分となり、
簡略化するほど背景になりやすい
という原則を守るだけで、
説得力のある作品に仕上がります。
初心者の方が犯しがちな失敗は
「全体を均等に描き込む」ことです。
均等な密度で描かれた絵は
視線が定まらず、
のっぺりとした印象になります。
全体を見た際に、「密と疎」の対比が
最終的なペン画の完成度を決定します。
光源と影の設定方法
ペン画で立体感を出すには、
光源を1箇所に固定して
影の向きを統一することが必須です。
これはペン画に限らず
基本となるデッサンの鉄則でもありますね。
その理由として光源が複数あると、
影が矛盾し立体感が崩れます。
これは一枚の絵として見た際に、
破綻がない絵を描くために
必要な要素となります。
基本的には光源の位置は「左上」が
最も一般的で自然に見えます。
光源がモチーフの後方にある逆光や、
モチーフの正面に光源がある順光だと
モチーフの形状がわかりづらくなってしまう
ためでもあります。
光源を決めたら、
各面の光の当たり方
(明面・中間面・暗面・影)を
整理してからペンを入れていきましょう。
たとえば球体を例にすると、
光源に近い部分は線なし(白飛ばし)、
中間部はハッチングの疎、
陰側はハッチングの密、
地面に落ちる影はさらに密もしくは
スティップリング追加
という構成になります。
また影の端(エッジ)の扱いもポイントです。
光源から近い境界はシャープにし、
遠い境界はぼかすように
グラデーションを付けると、
より自然な光の表現になります。
初心者が最初に練習すべきモチーフ

ペン画初心者に最適なモチーフと、
効率的な練習順序を紹介します。
ここでは、最短で上達するための選び方を
解説していきます。
身近なモチーフから始める理由
ペン画の練習で最初に選ぶべきモチーフは
「複雑すぎず、観察しやすいもの」
となります。
なので、まずは
- 自分の手
- コーヒーカップ
- 葉っぱ
- 石
- 靴
など、手元にある日用品から
始めていくと良いです。
身近にあるモチーフには、
普段から見慣れていることもあり、
練習としても優れています。
植物や動物は動きますが、
日用品は静止しているため、
観察→描画→確認のサイクルが
回しやすいです。
また、質感・明暗・形状の
バリエーションが豊富で、
様々な技法を一枚の中で練習できます。
特に、
「完成度の高いものを描こうとしない」
という心構えも重要です。
練習段階では、技法を試すことと、
線のコントロールを
身につけることが目的です。
失敗してもインクは消えませんが、
その失敗から次の制作に向けての
改善点を見つけることもできます。
初心者の方におすすめの
デッサンモチーフについては、
以下の記事を参考にしてみてください。
ステップアップのためのモチーフ選択
初心者の練習順序は
「幾何形体→静物→植物→動物→人物」
という一連の流れがおすすめです。
幾何形態というのは、
- 立方体
- 直方体
- 円柱
- 球体
などのシンプルな形状のものが代表的です。
これらの幾何形体は、
ハッチングと光源の練習をする上で最適です。
幾何形態の描写が安定してから
複雑なモチーフに移行することで、
技術を段階的に積み上げていくことができます。
次に、植物は線の有機的な使い方を
学ぶのに最適なモチーフです。
葉脈・花びら・枝の分岐など、
自然物の持つ複雑さを
線で表現する訓練になります。
動物や馬などは
動きと筋肉の流れを
線で捉える力が必要になるため、
幾何形態の描き方を習得後、
ある程度慣れてきた中級者以降に
挑戦するのが適切です。
ペン画をさらに深める応用知識

表現の幅を広げる応用技法と、
作品の活用方法を解説します。
ここでは、制作から発信・販売まで
一歩先の知識をまとめました。
ペン+水彩の組み合わせ技法
ペン画に水彩を組み合わせる技法は、
モノクロで描いた線描に
色彩の豊かさを加えた
誰でも真似しやすい技法です。
まずはペンで輪郭、陰影、
テクスチャーを描き、
その上から薄い透明水彩絵具を
重ねて着彩していくことで、
手描きの温かみと
カラーの鮮やかさを両立できます。
この技法を使う際の注意点は
「耐水性インクを使うこと」です。
染料インクや水溶性ボールペンは
水彩を重ねると滲むため、
顔料系インク(耐水性)のペンを
使うことが前提条件です。
- PIGMA
- コピックマルチライナー
- ステッドラーピグメントライナー
- つけペン+顔料インク
が適しています。

個人的には迷ったらPIGMAで
十分だと思います。
水彩を重ねる際は、
ペンで描いた線が完全に乾いてから
(最低5〜10分)水彩を
載せてください。
濡れた状態で着彩すると
線が滲むリスクがあるためです。
他にも、ペン画と相性の良い技法は
以下の記事を参考にしてください。
デジタルとの比較:アナログペン画の強みを知る
デジタルイラストが
普及した現代において、
アナログのペン画には
固有の強みがあります。
最大の強みはなんといっても
「原画」
という一点ものの強みです。
デジタル作品は
無限に複製できますが、
アナログのペン画原画は
世界に1枚しか存在しません。
また、ペン画は
デジタルツールなしで完結するため、
機器トラブル・ソフトウェアの更新
・データの消失といった
リスクがありません。
描いた作品は物理的な形で
残り続けます。
一方で、デジタルには
修正機能が整っていたり、
レイヤー管理、カラー調整の自由度
という明確なメリットがあります。
ペン画で描いた原画を
スキャンしてパソコンに読み込み、
そこからレイヤーを重ねて
デジタルで着彩をするといった
描き方もできます。
ペン画とデジタルは
対立させるのではなく、
ペン画で培った観察力、
線のコントロール力を
デジタルにも活かす
という視点が生産的です。
ペン画の作品を発表・販売する方法

ペン画作品を発信・販売する
主なプラットフォームとして、
- minne
- Creema
- BASE
- 個人サイト
などが挙げられます。
中でもInstagramは
ペン画の発信に最も適したSNSです。
ビジュアル中心の設計で、
ハッシュタグ
(#penart #inkdrawing #ペン画)
を活用することで、
世界中のアート愛好家に
リーチできます。
制作過程を動画(リール)で公開すると
エンゲージメントが高まり、
フォロワー獲得につながりやすいです。
販売は、BASEやminne、Creemaなどの
ハンドメイドマーケットから
始めるのが現実的です。
原画、ポストカード、
ジークレープリント(高精度複製)など、
価格帯の異なる
商品ラインナップを揃えることで、
様々な購買層にアプローチできます。
長期的には個人サイト(HP)を構築して、
SNSや外部プラットフォームに
依存しない販売拠点を持つことが
安定収益につながります。
ペン画に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、ペン画初心者が
抱きやすい疑問をまとめて解決します。
独学で上達するためのポイントも
整理しています。
Q. ペン画は初心者でも独学で上達できますか?
はい、独学でも十分に上達できます。
ペン画は基本技法
(ハッチング、点描など)が明確で、
練習すればするほど
線のコントロールが向上します。
まずミリペンとコピー用紙を用意して、
幾何形体のハッチング練習から
始めてください。
毎日30分の練習を3ヶ月継続すれば、
自ずと成長が見えてきます。
Q. ペン画に最初に揃える道具は何ですか?
最低限必要な道具は
- 下書き用の鉛筆と消しゴム
- ミリペン(0.1mm・0.3mm・0.5mm)
- コピー用紙またはケント紙
この3点あれば大丈夫です。
PIGMAかステッドラーが入手しやすく
品質も安定しています。
インク補充が不要で扱いが簡単なため、
最初の1本に最適です。
予算2〜3,000円以内で
必要な道具が全て揃います。
Q. ペン画でよくある失敗と対策を教えてください。
最もよくある失敗は
「全体を均等に描き込みすぎる」
ということです。
対策は、描き始める前に
フォーカルポイントを決め、
最も密に描く部分と簡略化する部分を
明確に区別することです。
次によくある失敗は
「光源が定まっていない」ことで、
対策は描く前に
光源の位置をスケッチの余白に
メモしておくことです。
Q. ペン画と鉛筆スケッチを同時に練習すべきですか?
平行して練習しても構いませんが、
ペン画に集中する場合は
「まず鉛筆でレイアウト→ペンで本描き」
という手順が有効です。
鉛筆で大まかな構図、比率、
明暗計画を決めてからペンを入れると、
ペン特有の「消せないプレッシャー」を
軽減しながら表現力を磨けます。
Q. ペン画はどのくらいで上達しますか?
ペン画の上達スピードは
練習量によって変わりますが、
目安としては毎日30分の
練習を継続した場合、
約1〜3ヶ月で基礎的な
描写力が身につきます。
最初の1ヶ月は線のコントロールや
ハッチングに慣れる期間となり、
2ヶ月目以降から徐々に立体感や
質感の表現が安定してきます。
特に重要なのは、
完成度の高い作品を目指すことよりも
「継続して描くこと」です。
短時間でも毎日描く習慣をつけることで、
ペン画は確実に上達していきます。
Q. ペン画は何から練習すればいいですか?
ペン画の練習は、
シンプルな形から
段階的に進めることが重要です。
なので最初は
- 立方体
- 球体
- 円柱
といった幾何形体を使い、
ハッチングで明暗を表現する
練習から始めてください。
その後、コーヒーカップや
葉っぱなどの静物に移行し、
質感や構造を線で
表現する力を養います。
いきなり複雑なモチーフに挑戦すると、
線の精度や構造理解が追いつかず、
上達が遅くなります。
基礎→応用の順序を守ることが、
最短で上達するポイントです。
Q. ペン画を効率よく上達する方法はありますか?
ペン画を効率よく上達するためには、
自己流だけで進めるのではなく、
基本技法と練習手順を体系的に
理解することが重要です。
特に
- ハッチングの使い分け
- 光源の設定
- 構図とフォーカルポイント
これらを意識するだけで、
作品の完成度は大きく変わります。
ペン画に関する内容を網羅したい方は
以下の記事をご覧ください。
まとめ:ペン画を始めるための具体的な行動
最後に、ペン画を今日から
始めるための具体的な手順を
整理します。
ペン画は、最小限の道具で
最大の表現ができる画法です。
この記事で解説した内容を
以下の順序で実践してください。
まず
- 下書き用の鉛筆と消しゴム
- ミリペン0.3mm・0.5mm
- ケント紙またはコピー用紙
これらを揃えます。
次に球体・立方体を
ハッチングのみで描く練習を
1週間継続します。
その後、身近な静物(カップ・葉・石)を
1日1枚描く習慣を作り、
1ヶ月でスケッチブック1冊を
埋めることを目標にします。
ペン画の上達には
特別な才能は必要ありません。
観察する習慣と、
描き続ける行動量が全てを決めます。
それでは最後までお読みいただき、
どうもありがとうございました!



































ペン1本あれば作品が完結する手軽さも、
根強い人気の理由のひとつです。