スマホのカメラ機能は年々解像度・クオリティが上がり、素人でも綺麗な写真を撮ることが出来るようになってきています。
とはいえ、何かしらの制作をする上でそれがすべて良い事であるとは限りません。
個人的に言えば、普段から写真を参考に制作をする事は多いですが、デッサンを習いたての頃は「なるべく写真から描かないように」と先生から教わっておりました。
今になって思えば、「デッサンをする上での基本的なものの見方を養う為の基盤となったのでは?」と思っています。
この記事では、写真を元にデッサンや作品を作る上でのメリット・デメリットについて、個人的に思うことをまとめてみました。
あなたにとって参考になる箇所がありましたら幸いです。
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目次
メリット
手軽に描く事が出来る
出先で撮影した写真を元に家で描くことが出来ますので、それが自分のイメージと近ければ近いほど良い絵に仕上げていく事が出来る事でしょう。
本格的な一眼レフのカメラでなくとも、スマホのカメラ機能を使うことによって誰でも手軽に写真を撮る事が出来てしまいます。
そのため、自宅付近で気軽に撮影したり、多少の人ごみの中でも手軽に撮影することが可能です。
外出先で撮影したイメージをそのまま自宅で描くことが出来ますので、写真に撮っておくと便利かもしれません。
モチーフが動かなくて済む
実際にデッサンや写生をする際、建物や風景、植物や果物といった静物であれば苦労する事なく描く事が出来ます。一方で、動物や子どもなど、じっとしていられないモチーフを描くのは至難の業です。
その反面、写真であればお手本として利用することが出来ますので、動きを捉えるのが難しいと感じている方にとっては描きやすいものとなるでしょう。
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細部の描き込みをする際も適している
写真を現像してしまうと大きさは変わりませんが、スマホで撮った写真を拡大することで細部に至るまで見ることが出来ます。
細部が見づらかったり、描き込みをしたいと思った際に便利な機能であると言えますよね。
動物の毛並みの質感であったり、入り組んだ箇所を描く際にも重宝するかもしれません。
参考画像として適している
何もない状態からイメージを膨らませることは難しいので、モチーフの形態や質感を把握する上での参考資料として活用することが出来ます。
版権物や、無断で個人を撮影した写真を資料として使うと法に触れてしまいますが、自身で撮影したものを資料として使っても問題はありません。自分が気に入った写真を元に、制作をする上での資料として利用するのが望ましいでしょう。
スマホのLive Photos機能を使えば、シャッターを切った前後の1.5秒ずつの映像が記録されるので、簡単に描きたい場面を切り取ることが出来ます。
これにより、自身のイメージと少し違った際の微調整が出来ますので、制作をしていく上でも非常に便利な機能であるといえるでしょう。
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デメリット
絵が平面的になりやすい
写真を元に絵を描こうとすると、絵のモチーフ自体の厚みが無くなり、どうしても平面的な絵になりがちです。
実際にそのモチーフを手に取ると、重さや大きさ、厚みといったものが分かりますが、写真からでは視覚を頼りにした情報しか読み取ることが出来ません。
目の前にあるものとして描くのと、写真を元に描くのとではその場において得られる情報量に制限が課せられると同じものであるとも言えるでしょう。
構成の応用が利かなくなる
最初から写真を元に描こうとすると、絵を描く上での理論的なものが備わっていない状態なので、自身の力で発展させていく力を養う事が出来ません。
写真から絵に起こしてしまうと、モチーフを単純化して考える思考が育ちにくくなり、目で見たものでしか描くことが出来なくなる恐れがあります。
デッサンを習得しておく事でモチーフの配置の仕方であったり、再構築して空想のモノを描く事が出来るようになるので、極力写真を元に描く事から始めない方が良いかもしれません。
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個性が無くなってしまう
写真を元に絵を描こうとすると、写実的に描く技術は身につきますが、一方でデフォルメをして描く技術が備わりにくくなってしまいます。
何を良しとするかは個々の方向性によるものとなっていますが、デフォルメされたキャラクターを生み出したり、イラストを描いていきたいと思っている方にとっては弊害になってしまうかもしれません。
個々のパーツやデザインなどを参考にする程度であれば良いですが、そっくりそのまま描くとなるとより写実性が強調されてしまい、自分の持ち味が薄まってしまう可能性も無きにしも非ずです。
自分の持つ感性やクセを強調することで、他人にはできないオリジナルの作品を作る事にも繋がっていきます。
「写実的過ぎる事が悪い」という訳ではありませんが、自由自在に絵を描きたいのであれば参考程度が望ましいでしょう。
まとめ
写真を元に絵を描く事のメリット・デメリットについて紹介しました。
スーパーリアリズムのように、写実を極める為の描き方であれば必須かもしれません。
ですが、自分の持ち味を生かして制作に繋げていこうとするのであれば参考程度に留めておいた方が良いと個人的に思います。
この記事があなたにとって制作する上での参考にして頂けると幸いです。
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